コロナショックの今こそ狙うべき米国株アドビ
2020年3月25日 11:55
コロナショックでの大暴落は未だ落ち着きを見せない。感染拡大が続く新型コロナウィルスの対応として、各国とも渡航禁止、外出禁止など強烈な政策を打ち出しているが、その反動で4-6月期の各国のGDPは大幅に落ち込むと予想されている。
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米国をはじめ日本でも巨額の財政出動を含む経済政策を様々打ち出しているが、市場が落ち着きを取り戻すにはもう少し時間がかかるだろう。実体経済の悪化への懸念と政策期待との綱引きの中で、ボラタイルな相場はもうしばらく続きそうだ。そのような相場の中狙うべきは「割安で放置されている米国株」だ。
米国株の個別銘柄の中には、成長性が優秀かつ新型コロナウィルスの影響をあまり受けないにもかかわらず暴落に巻き込まれている銘柄がある。例えばアドビ
米国ソフトウェア大手アドビの製品であるPhotoshop、PDF、Acrobatなどは各々の分野での「あたりまえ」として定着している。読者の中にも何度も触れている人が多いことだろう。さらに、世界中のスタンダードを作るだけでなく、いち早く2011年から定額課金制度を開始し、収益構造の最適化を推し進めている。
アドビの12-2月期は前年同期比20%程度増収、26%の営業利益増と直近の売上高推移は堅調に積み上がっており、収益性への疑問はあまりない。3-5 月期(20Q2)の会社計画は前年同期比16%増収、継続事業ベースEPSは同28%増と発表しており、売上が物足りない印象を受けるが、新型コロナの悪影響を織り込んだ結果として考えると良好だろう。加えて、今後新型コロナの感染が落ち着くまでにスタンダードになるであろうリモートワーク増加の恩恵も受けると期待されている。
新型コロナショックで地合いが悪い時だからこそ「稼ぐ力」は問題がないのに、市場全体の後退意欲に追われているアドビのような銘柄を探すべきだ。冷静に考えれば、今後Photoshop、PDFに替わるスタンダードな製品がすぐ台頭してくるとは思えない。
新型コロナショックは世界にビジネスモデルが浸透しており、収益性も問題がないのに出遅れている銘柄を仕込むチャンスとも言える。ボラタイルな相場の時こそ企業の本来の価値がわかるのではないだろうか。落ちるナイフは掴みづらくとも輝く個別銘柄は見つけられるはずだ。(記事:高木祐二・記事一覧を見る)