アンリツ、アドバンテス、東京ドームなど/本日の注目個別銘柄
2020年3月13日 16:05
<6184> 鎌倉新書 912 -202急落。前日に20年1月期の決算を発表、営業利益は8億円で前期比7.5%増益となった。従来計画通りの着地となっている。一方、21年1月期は5.1億円で同36.3%減益の見通し。これまで順調な収益成長が続いてきた中、想定外の大幅減益ガイダンスと捉えられる形に。新型ウイルスの影響による売上減少を各事業で織り込んでいる一方、新規事業への積極投資などは行っていく方針のようだ。
<5218> オハラ 641 -150ストップ安。前日に第1四半期決算を発表、営業損益は4.5億円の赤字となり、前年同期比8.3億円の損益悪化となっている。光学ガラスやナノセラム減少の影響が大きかったほか、生産設備の稼働率低下や一過性のコスト増なども収益を押し下げた。会社側では、新型ウイルスの世界的感染拡大による多大な影響が見込まれるとして、業績予想、配当予想を取り下げ、未定としている。
<4384> ラクスル 1808 -499一時ストップ安。前日に上半期決算を発表、営業損益は2.6億円の赤字となり、前年同期比3.3億円の損益悪化。今回、未定としていた通期業績予想を公表、営業損益は5.6-6.6億円の赤字レンジと予想する。広告宣伝費や運送事業への積極的な成長投資で販管費が増加し、売上総利益は48-51億円を見込んでいるもよう。業績予想には新型ウイルスの影響による売上減10-20億円を織り込んでいる。
<9743> 丹青社 694 -150ストップ安。前日に20年1月期決算を発表。営業益は56.8億円で前期比13.0%増となり、従来予想の54億円をやや上回った。収益性を重視した受注活動の展開が奏効し、利益率が高まった。また、年間配当金も従来予想の40円から42円に引き上げ。一方、21年1月期は61億円で同7.4%増益を見込む。連続増益見通しだが、東京五輪開催効果などへの期待も高かっただけに、短期的な出尽くし感も強まる格好へ。
<9681> 東京ドーム 716 +10反発。前日に20年1月期の決算を発表、営業益は117億円で前期比2.2%増、従来予想の122億円をやや下回った。一方、年間配当金は従来の16円から19円に引き上げた。21年1月期は新型ウイルスによる影響を合理的に算定することが困難として、業績予想を非開示とした。先行き不透明感を強める形になったが、連日の株価下落の反動から大引けにかけて買い戻しの動きが強まり、プラスに転じた。
<3038> 神戸物産 3525 -355大幅続落。前日に第1四半期決算を発表、営業益は56億円で前年同期比33.5%増、通期計画203億円、前期比5.5%増に対して好調なスタートとなってた。節約志向の高まりやメディア露出効果などで既存店出荷高が好調に推移。業績面での安心感は強まる状況に。ただ、単独業績の好調は月次動向などで明らかになっており、大きなサプライズは乏しい。全般安を受け、目先の材料出尽くしと受け止められた。
<6754> アンリツ 1732 +75切り返して反発。前日にはみずほ証券の投資判断格上げが観測されたが、本日は、クレディ・スイス証券では投資判断「アウトパフォーム」継続で、目標株価を2420円から2880円に引き上げた。株式市場が混乱している状況において、5Gという確実な成長テーマのある同社に対しては、押し目買いの好機と考えているもよう。開発案件目白押しで、今・来期と高成長が続くと予想、為替変動の影響も限定的とみている。
<7518> ネットワン 1925 -216急落。前日に第3四半期決算を発表。累計営業利益は97億円で前年同期比35.9%増、10-12月期も同39%増となった。10-12月期受注高も同49%増と好調、計画線上ではあるが、好調な推移となっており、架空循環取引に絡んだ悪材料出尽くしたと判断される。ただ、新型コロナの影響が受注面で現れつつあり、地合い全体の悪化にも押される形で、短期的なプラス材料の出尽くし感にもつながっているようだ。
<6857> アドバンテス 4070 -215大幅続落。SMBC日興証券では投資判断を「1」から「2」に、目標株価も5800円から5500円に引き下げた。SoCテスタ市場の来年度10%成長を織り込んでも、コンセンサスはすでに高水準にあり、22年3月期ベースではコンセンサス対比大きく劣後すと予想している。なお、SMBC日興証券では、東エレク<8035>や東京精密<7729>の投資判断は格上げしたが、地合い悪に押されてそれぞれ軟調な推移へ。
<2267> ヤクルト 5430 +200逆行高。目先の業績懸念が相対的に乏しい銘柄として関心が向かう形に。3月3日に、新型コロナウイルス感染拡大への対応と影響についてのリリースを発表。日本国内の乳製品実績については、2月実績は前年をやや上回る見込みで、生産活動への影響もないと説明したほか、海外乳製品の約25%を占める中国に関しても、2月は前年比1割強程度の落ち込みにとどまり、原材料も在庫ひっ迫、入手困難などの状況ではないという。《US》