ソフトバンクG、三菱UFJ、国際帝石など/本日の注目個別銘柄

2020年3月9日 15:46


<1605> 国際帝石 766.0 -114.0急落。原油価格の急落が売り材料となった。NY原油先物は時間外取引で一時1バレル27ドル台ばまで急落。先週末比で3割強の下落となり、4年ぶりの安値水準となった。「OPECプラス」の協議において、サウジアラビアが提案した日量150万バレルの追加減産案をロシアが拒否、サウジも自主的な減産を取りやめ、4月から日量1000万バレルを超える規模に増産の方針としている。需給緩和による先安感を反映の動きに。

<7203> トヨタ自 6495 -299大幅続落。為替相場で円高が進行、ドル・円相場は1ドル=101円台半ばまで下落し、2016年11月以来3年4カ月ぶりの円高水準となっている。新型ウイルスの感染の世界的な拡大から景気の先行き懸念が一段と強まり、リスク回避の円買いが優勢となっている。輸出比率の高い自動車株は、生産停滞による数量減に加えて、利益率悪化への懸念なども強まる状況となっている。

<6301> コマツ 1941.5 -143.5大幅続落。中国国内にある同社製建設機械の2月の平均稼働時間が前年同月比3割減少したと発表。新型肺炎の感染拡大により、春節休暇終了後も土木工事の再開が遅れているもよう。2月の油圧ショベルの中国国内需要は同67%減と大幅に減少しているが、稼働の低迷によって今後の販売回復にも時間を要するとの見方に。なお、他地域の平均稼働時間は、日本が同0.9%増、北米が同6.4%減、欧州が同0.7%増となった。

<2196> エスクリ 425 -93一時ストップ安。2月18日に発表した発行済み株式数の1.3%に当たる15万株を上限とした自社株買いの実施を中止すると発表。新型肺炎感染の広がりを受けて、3月中に挙式披露宴を予定している顧客の中で、延期希望の場合には変更料を取らずに対応、実施希望の場合は欠席者分の料理、飲料などの料金を返金する対応を取るとしており、財務負担の悪化を避ける意味合いがあるようだ。需給下支え要因の消滅を嫌気する流れに。

<9678> カナモト 2160 -88一時反発。全体相場が急落する中で、前場は底堅い動きとなった。先週末に第1四半期決算を発表、営業益は42.7億円で前年同期比9.0%増、上半期計画は同16.6%減であり、想定上の堅調スタートと評価された。主力の建設関連事業において、建設機械のレンタル需要が底堅く推移し、基盤となる北海道では新型肺炎の感染拡大が広がっており、影響懸念なども重しに。株価は一時2280円まで上昇後、マイナスに転じた。

<4382> HEROZ 3355 -700ストップ安。先週末に第3四半期決算を発表、累計営業益は3.2億円で前年同期比13.5%減となった。上半期は同6.4%増益であり、減益に転じる形に。据え置きの通期計画5.2億円、前期比23.7%増には未達懸念も強まる状況。AIサービスの一部プロジェクトにおいて進捗に遅延が見られていることのほか、開発リソース拡充のための人件費上昇、市場変更や公募増資に伴う一時的な費用増などが響くようだ。

<6656> INSPEC 3210 -700ストップ安。前週末に第3四半期決算を発表、累計営業益は0.4億円で前年同期比83.1%減となり、11-1月期は営業赤字に転じた。つれて、通期予想は従来の3億円から0.4億円にまで大幅下方修正。新型肺炎の感染拡大の影響を受け、中国企業に納入予定装置の出荷時期が大幅に遅延しているほか、中国企業との大型商談の進捗遅延などが響く。個人投資家の人気が高い銘柄でもあり、見切り売りが殺到する形に。

<8306> 三菱UFJ 432.4 -55.0急落。本日もメガバンクが軒並み急落の展開に。米長期金利の低下を嫌気して、先週末の米金融株はきつい下げとなっていたが、米債はさらに急低下の展開となっており、米10年債利回りは0.5%を割り込んだほか、30年債利回りも1%を下回っている。また、新型ウイルス感染の影響により、中小企業の景況感が急速に悪化するとみられており、今後の与信費用の増加なども警戒される形となっている。

<9984> ソフトバンクG 4284 -499急落。世界的な株安を受けて、ビジョンファンドの収益悪化を警戒する動きが強まっている。また、原油相場の急落を背景に財政悪化が想定されることで、同ファンドに大口出資しているサウジアラビア公益ファンドの動向などを警戒する流れにもなっている。日経平均先物の急落による裁定解消売りの影響も受けているとみられる。《US》

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