中小企業の景況感、東日本大震災以来の厳しい状況に 日本公庫調査
2020年3月2日 08:09
日本政策金融公庫が2020年2月の中小企業景況調査を発表し、売上や利益額の動向を中心として、東日本大震災が起きた2011年以来となる厳しい水準になっていることが分かった。
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■右肩下がりの売上動向指数
2月27日、日本政策金融公庫が2月の中小企業景況調査を発表した。2月の売上DI(動向指数)は-14.9で、1月の-13.8から1.1ポイント悪化となり、2018年より右肩下がりの傾向が続いている。過去にさかのぼると、東日本大震災の後となる2011年5月の-17.5、さらに12年9月の-17.0についで3番目に低い数字。また今後3カ月の売上見通しDIは-16.7で1月から横ばいだった。
■利益額動向指数も震災以来の数値
2月の利益額DIは-14.8で、1月の-12.6から2.2ポイントの悪化となり、2カ月連続で悪化。過去を振り返ると、こちらも東日本大震災の後となる2011年5月の-16.1についで2番目に低い数字となった。その一方、黒字企業割合から赤字企業割合を引いた数値は28.1で、1月の28.0から0.1ポイント上昇とわずかに改善している。
■販売価格は下落、仕入れ価格は上昇
販売価格DIは-2.2で、1月の-1.4から0.8ポイントの悪化となった。直近では19年後半にマイナス圏が続いたものの、19年12月に0.4とわずかに浮上した。しかし20年1月から再び2カ月連続でマイナス圏に沈んでいる。また仕入れ価格DIは10.9で、1月の10.1から0.8ポイントの改善。直近では19年5月の5.7を底に上昇傾向が続いている。
■生産設備と人手が過剰に
従業員の不足から過剰を引いた従業員判断DIは0.9で、1月の8.5から7.6ポイント悪化。18年後半から下落傾向が続いており、過去を振り返ると15年7月の1.4を下回り、14年7月の0.8につぐ低い数字。
また生産設の不足から過剰を引いた生産設備判断DIは-7.6で、1月の-4.0から3.6ポイント悪化。こちらは18年後半から下落傾向にあり、16年8月の-8.6につぐ低い数字となっている。
■資金繰りも厳しい数字が続く
資金繰りの「余裕」から「窮屈」を引いた資金繰りDIは4.0で、1月の5.1から1.1ポイントの悪化。他のDIほどではないものの厳しい数字が続いている。ただし、金融機関貸出態度の「緩和」から「厳しい」を引いた金融機関貸出態度DIは41.0で、1月の40.1から0.9ポイント上昇となり、やや改善した。(記事:県田勢・記事一覧を見る)