地域経済、輸出関連で減速 内需好調地域は横ばい 改善の見通し不透明
2020年2月26日 09:19
海外経済の減速や消費増税後の消費の低迷を受けて景気後退入りが懸念されている。しかし、都市部の再開発や人手不足を背景とした省人化設備投資などが堅調で、政府は内需中心の景気回復が持続すると見込んでいる。
23日、経済産業省が2019年10-12月期の地域経済産業調査の結果を公表した。全体の景況判断は、「弱めの動きが広がっているものの、緩やかに改善している」と前期から据え置きされたが、地域別にみると北海道、東北、関東、東海、北陸、近畿の10地域中6地域で下方修正されている。
生産の状況は海外経済の減速の影響で電子部品・デバイス、輸送機械や生産用機械が弱含みとなっている。スマートフォン関連で一部底入れ感がみられるものの本格的な回復には至っていない。内需関連では、設備投資が生産能力増強や人材不足解消のための省人化投資等で増加傾向が続いているものの、個人消費でも自然災害や暖冬の影響等により一部に弱い動きがみられる。
地域別に見ると、北海道で一部に持ち直しの動きがみられるものの足踏み状態で下方変更となっている。生産は食料品が記録的な不漁の影響で減少、インバウンド関連が日韓関係の影響で減少した。
東北も足踏み状態で下方変更。生産は電子部品・デバイス、輸送機械が弱含み、消費も自然災害の影響等により足踏み状態だ。
関東は一部に弱い動きがみられるものの緩やかに改善しているが下方修正だ。
東海は改善傾向だが足踏みがみられ下方変更となっている。電子部品・デバイスに持ち直しの動きが見られるが主力の輸送機械が弱含みだ。
北陸も足踏み状態で下方変更。電子部品・デバイスや生産用機械などが弱い動きで消費も足踏み状態だ。
近畿も一部に弱い動きがみられるものの緩やかに改善しているが下方変更。インバウンドは好調を維持しつつも勢いが軟化している。
中国は持ち直しの動きに足踏み感がみられ据え置きだが、鉄鋼や自動車、電子部品・デバイスの一部に需要減がみられる。
四国は持ち直しの動きに足踏み感がみられ据え置き。電気機械等で一部に弱い動きがみられ、消費は持ち直している。
九州は横ばいとなっており据え置き。自動車が新型車効果等により堅調に推移する他、半導体製造装置が回復傾向だ。
沖縄は改善が続いており、百貨店・スーパー、ドラッグストアが堅調、改善が続いている。
全体として東日本での弱さが目立ち西高東低となっている模様だ。(編集担当:久保田雄城)