子の大学受験 保護者の関心は入りやすさ?

2020年2月25日 12:15

 先頃リクルート進学総研が「高校生と保護者の進路に関する調査」の結果を公表し、子供への進路アドバイスが難しいと感じている保護者が多いことが明らかにされた。進学にあたっては、入試制度等の情報に関心が向けられていることもわかった。これらの結果をどうとらえればよいか、ともに考えていただきたい。

■子供の進路についてアドバイスが難しいと感じる親

 1月29日にリクルート進学総研から「高校生と保護者の進路に関する意識調査」の結果が公表された。この調査は2年に1度、リクルートマーケティングパートナーズと全国高等学校PTA連合会が共同で実施している。

 調査対象は高校2年生の生徒とその保護者で、家庭での進路に関する考え方やコミュニケーションについて探るために行われている。

 その調査結果の中では、子供の進路選択についてのアドバイスが難しいと感じている保護者がおよそ70%を占めていることが明らかになった。(図(1)参照)

 また、保護者が子の進学にあたって重要と思う情報の1位は、入試情報。2位が予算、3位が学部情報であることもわかった。(図(2)参照)

■保護者の関心は入りやすさ?

 ここで今一度図(2)を見てみる。2位の学費についての情報とは、進学するといくら必要になるか、ということ。では1位の入試情報とはすなわち、入試の困難さや入りやすさへの関心からくるものではないだろうか。そして3位にようやく、何を学ぶか、という学部情報が入ってくる。

■どのような専門知識を学ぶかが大切。

 学びたいことがあって、情報をたくさん集めたとしても、難易度が高くて手が出ない大学なら受験しても意味がない。そう考えると、この結果はうなずける。

 しかし、大学は高校までとは異なり、初めて専門知識を学ぶ場である。その専門分野をどう選択するかという局面で、入試の難易度に関心が集まっているとすれば、教育界のみならずわが国全体として問題になってくる。

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