阪神電鉄と神戸市、傘シェア「アイカサ」導入 まちづくりの実証事業へ
2020年2月20日 08:10
阪神電気鉄道と神戸市は17日、NIG(Nature Innovation Group、東京)と三者連携協定を結び、4月上旬から傘シェアリングサービス「アイカサ」を導入、シェアリングエコノミーを活用したまちづくり実証事業を始めることになった。期間は2年間の予定で、同サービスの導入は関西では初めて。
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アイカサはNIGが2018年12月から始めたサービスで、東京都内全域をはじめ横浜市、福岡市など約800カ所に傘立てが設置され、ユーザーは約8万人。スマホでスポットを検索し、借りるのも返すのも傘のQRコードを読み取るだけ。傘を利用したあとはどこのスポットでも返却できる。
利用料(税込み)は1日何回借りても70円。6日以上は月420円で使い放題。ビニール傘を買うよりも安く、手ぶらで外出できるのがセールスポイント。
計画では、傘立てスポットは阪神電鉄49駅のうちの39駅、それに神戸の三宮~元町~ハーバーランドエリア、岡本商店街~甲南大学エリアの計約80カ所で、数は約2,000本。配置する傘には、阪神電鉄の社会活動のシンボル「“たいせつ”がギュッと。」と神戸市の「三宮の再整備ロゴマーク」がデザインされている。
阪神電鉄は2016年から3つの駅にビニール傘「みんなの傘」を配置してきたが、その過程で「もっと利便性を向上できないか」「廃棄物の削減に貢献できる方法はないか」などを検討した結果が、今回のアイカサ導入につながった。
また神戸市はこの2点に加えて、アイカサの利用データを市民の回遊性向上の検証に活用する考えで、来年には異常高温対策の一環として日傘のシェアリングサービスも計画している。
日本洋傘振興協議会によると、日本の傘の消費量は年間1億3,000万本。うちビニール傘は8,000万本とみられている。数百円の低価格と壊れ安さから、文字通り「使い捨て文化」の象徴とも言えるが、普及し始めた傘のシェアリングサービスがその文化を変える旗手となれるか、注目されている。(記事:澄・記事一覧を見る)