新型コロナウィルス感染拡大が航空業界を直撃 中国路線大幅削減へ

2020年2月15日 09:58

●新型コロナウィルスが中国路線を直撃

 中国・武漢市で発生した新型コロナウィルスの感染拡大により、中国への渡航制限や、中国での団体旅行禁止が行われ、各航空会社が対応に追われている。

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 全日空(ANA)では、成田・羽田・関空から武漢や北京、成都などを結ぶ多くの便で運休や減便としているが、13日には追加の運休・減便を発表。2月20日から3月28日までの間、羽田-上海(虹橋)路線を運休(2月29日は運航)、成田-青島・大連路線をそれぞれ週7便から週4便に、関西-北京路線を週7便から週3便に減便する。

 日本航空(JAL)でも北京線や上海線で運休や減便を発表しており、その対象は順次拡大されている。

●中国系キャリアも減便・機材の小型化を実施

 中国系キャリアも、中国から関西空港や中部空港などに向かう路線で減便や運休などを実施。首都圏発着路線においても、B777やA330などの大型機材からB737やA320などの小型機材などに機体を変更した。

 中国主要都市からの路線は一定数の運航があるものの、地方都市から日本へ向かう路線では欠航が続いている状態であり、利用する際には注意が必要である。

●影響は広がりLCCも減便

 新型コロナウィルスの感染が拡大するにしたがって、中国本土だけでなく周辺の地域に向かう路線にも影響が出ている。

 格安航空会社のピーチは2月12日、需要の減少に伴って関西から香港に向かう路線を減便、那覇から香港に向かう路線は運休すると発表した。中国系LCCの春秋航空も成田発の重慶・寧波線を運休、天津・ハルビン線を減便すると発表している。

●日本の地方都市向け路線に大きな影響

 最も大きな影響を受けているのが、中国本土から日本の地方都市へ向けた路線である。

 静岡空港へ就航していた中国東方航空は4路線の運休を発表、中国南方航空は富山便を運休すると発表した。日本の地方都市では、中国からのインバウンド需要に支えられていた部分があり、影響は地元の観光などの経済に対しても広がっている。(記事:speedbird・記事一覧を見る

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