菓子メーカー、売上増続くも伸び鈍化 今後はコロナなどで不安も 帝国データバンク調査
2020年2月14日 11:57
帝国データバンクの発表によると、国内菓子メーカーの売上高は引き続き伸びているものの、伸びは鈍化しており、今後に関しては厳しさも見られることが分かった。
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■売上高は増加傾向
12日、帝国データバンクが国内菓子メーカー512社の経営実態調査を発表した。これは同社の企業概要ファイル「COSMOS2」から、2018年度決算の売上高が判明した国内菓子メーカー512社(売上高10億円以上)の売上などについて、分析したもの。
2016~18年度決算の売上高が判明した506社の売上高を見ると、2016年度は4兆1,508億700万円、17年度は前年度比2.6%増の4兆2,587億4,700万円、18年度は同2.1%増の4兆3,480億9,700万円だった。前回調査の2012年以降から増加が継続しているものの、伸び率は鈍化している。
■災害などで減収企業が増加
売上高の増減企業の割合を見ると、2017年度は増収企業が51.7%、横ばいが7.8%、減収企業は40.4%。18年度は同49.0%、9.7%、41.3%となり増収企業の割合が減り、横ばいと減収企業が増えている。
減収した企業の原因として、大阪北部地震や北海道胆振東部地震、西日本豪雨など自然災害の影響により、製造工場が停止になったり店舗が休業になったりした影響が出た。また外国人観光客によるインバウンド需要も、地域によっては一巡したという。
■猛暑でアイスクリームが好調
商品別の売上を見ると、猛暑によりアイスクリームや熱中症対策のキャンディーが好調、市場が縮小傾向にあるガム、百貨店の不振や贈答向け需要の落ち込みにより米菓が不振。販路別では、スーパーマーケットやドラッグストア向けのチョコレートが引き続き好調だった一方、豪雨や地震などで通行止めになった高速道路のサービスエリア向けで影響があった。
■業歴が短めの企業で好調目立つ
512社を業歴別でみると、50年以上100年未満が最も多く251社(全体の49.0%、以下同じ)、ついで30年以上50年未満が101社(19.7%)、100年以上が89社(17.4%)、10年以上30年未満が57社(11.1%)、10年未満が14社(2.7%)となっている。
ただし業歴別で売上高の増減を見ると、業歴10年未満や10年以上30年未満の企業では増収企業の割合が6割を越え、30年以上50年未満でも52.0%となったものの、業歴が長めの50年以上100年未満、100年以上の企業では増収企業が半数割れとなっている。さらに今後は、新型コロナウィルスの影響により外国人観光客数が減少する可能性を指摘し、「厳しい展開が予想される」としている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)