【どう見るこの相場】2月相場はハイテク・景気敏感株などの3Q業績動向がポイント

2020年1月27日 11:12

■2月相場は1月相場に続いて平幕銘柄のトーナメント戦なら小型材料株に挑戦権

 今週の当コラムは、門外漢にも拘わらずスポーツの話から始めることをお許しいただきたい。昨26日に千秋楽を迎えた大相撲の初場所である。大荒れに荒れた初場所であった。2横綱は早くから連敗して休場し、カド番の大関は、負け越して大関陥落となり、優勝争いの先頭を走ったのは平幕力士2人で、結局、優勝したのはあろうことか幕尻の徳勝龍であった。下剋上、大番狂わせなどといわれたが、まるで横綱、大関などの番付には一切お構えなしのトーナメント戦のようで、今後も毎場所、毎場所このような本命なき展開になれば、どんな平幕力士にもチャンスのあるスリリングな一発勝負の醍醐味を満喫でき、それこそ土俵上にザブトンが舞うほど観客を沸かせることになるだろう。

■リスクとリターンが背中合わせの株式投資の面白さを再認識

 さて本題の「相場見通し」に移ろう。1月相場は、この大相撲初場所の大番狂わせに瓜二つだった。まずトランプ大統領が、イランの革命防衛隊司令官の殺害を命令して中東の地政学リスクが高まり、資源株の急伸とともに防衛関連株や金価格関連株にストップ高する銘柄が続出して幕が開けた。さらにコロナウイルスによる新型肺炎の感染拡大につれ防護服のアゼアス<3161>(東2)や川本産業<3604>(東2)、赤外線サーモグラフィの日本アビオニクス<6946>(東2)などがストップ高を続け、除菌剤の大幸薬品<4574>(東1)やエアーシャワーの日本エアテック<6291>(東1)などが昨年来高値を更新した。主力株の方向感が定まらず、トータルとして強気になり切れないなか、こうした平幕銘柄の小型材料株の乱舞は、リスクとリターンが背中合わせの株式投資の面白さを再認識させ、ある面、投資家心理をポジティブにリードしたことは間違いない。

■新型肺炎の感染拡大がいつピークアウトするか?

 2月相場はどうか?一つのカタリスト(変動誘発材料)としては、世界的なパンデミック(感染爆発)懸念のある新型肺炎の感染拡大が、いつピークアウトするかがポイントとなる。しかし、本筋のカタリストは、今週から本格スタートするハイテク株や景気敏感株などの主力株の3月期決算会社の第3四半期(3Q)の業績動向だろう。3Q決算が、業績回復を示唆したり、業績の上方修正につながるなど市場コンセンサスを上回れば、主力株が息を吹き返し相場をリードすることになる。ただ、この先陣を切った日本電産<6594>(東1)が、業績を再下方修正して株価が急落してしまった。このことは、仮に主力株相場があるとしても、業績好調組を買い、不調組を売る選別物色にとどまることを示唆しているとすれば、それこそまた平幕銘柄に活躍場面が巡ってくることも想定される。

 ではその場合、どのような平幕銘柄が大番狂わせを演じるか?大相撲の初場所と同様にどのようか平幕銘柄にもチャンスはあるはずで、全方位の銘柄ウオッチが欠かせない。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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