2021年実施の大学入学共通テストで英語はどう変わるのか
2020年1月22日 12:00
2020年1月18日、19日に行われた試験を以って、30年間実施された大学入試センター試験が終了する。来年度から新たに大学入学共通試験が行われる予定だが、新しい取り組みの発表と取りやめが繰り返され、依然としてその全容が掴めない状況だ。
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ただ英語においてリスニングの配点が大幅に増加するなど、現時点で明らかにされている情報もある。試験の実施が1年後に迫る中で、受験生たちは発表されている情報を集めながら新たな試験内容に柔軟に対応していく必要があるだろう。
■民間の技能試験は反映されない
文科省は当初、高校3年生の4月から12月のうちに受けた民間の英語技能試験の結果を、共通試験の結果として利用するとしていた。従来の「読む」「聞く」以外の「書く」「話す」の技能も評価基準に含めたい狙いからだ。
しかしこの制度への不安が多く寄せられたために、来年度での実施は見送られることになった。では、一体従来のセンター試験との明確な変更点は何だろうか。
■英語試験の変更点
まず最も大きな変更点は、配点が「リーディング200点」「リスニング50点」から「リーディング100点」「リスニング100点」になることだ。
「読む」「聞く」の2技能を見ることに変更はないが、「リスニング」への比重が大幅に高まることとなる。そしてリスニングでは全ての問題で音声が2度再生されていたが、来年は「1回読みと2回読みの両方の問題を含む構成で実施」[1]される方針だという。
もう一つは「発音、アクセント、語句整序などを単独で問う問題は作成しない」[1]としていることから、従来の第1問のような問題は廃止される可能性が高い。
■新しい試験に向けた対策
来年の大学入学共通テストの問題作成方針などは発表されているものの、具体的な問題構成などについては、未だに発表はされていない。大学入試という大一番をかけた試験の内容が不透明なことに対して、大きな不安を感じる受験生やその家族も多いかもしれない。
しかしその状況は他の受験生たちにとっても同じであるため、必ずしも不利に働くと捉える必要はない。また英語の出題範囲は今年のセンター試験と変わらないことも明らかにされている。今できる試験対策は、リスニングの精度を高める練習をしつつ、大学入試センターから発表される新たな情報を逃さないようにすることだろう。(記事:双風サキ・記事一覧を見る)