2019年の倒産件数 金融危機時以来11年ぶりに増加 東京商工リサーチ調査
2020年1月15日 08:05
東京商工リサーチは14日、2019年1月から12月に日本全国で発生した企業倒産状況の分析結果を発表した。倒産件数は8,383件と前年の8,235件から1.79%増え、リーマン・ショックのあった2008年以来11年ぶりに前年比で増加した。このうち上場企業の倒産は1 月に民事再生法の適用を申請したシベールのみで、倒産件数全体の99.9%を中小企業が占めた。負債総額は1兆4,232億円と前年の1兆4,854億円から4.18%減り、30年間で最も少なかった。
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東京商工リサーチの分析結果によれば、2019年通年の企業倒産件数は前年実績を上回り、リーマン・ショックのあった2008年以来11年ぶりに増加に転じた。日本ではバブル崩壊後の1990年代に不動産業を中心に倒産件数が一気に拡大したが、当時と異なり2019年は後継者不在など人手不足による倒産が目立った。
具体的には、人手不足関連の倒産は426件と前年の387件から大幅に増え、同社が調査を開始した2013年以降で最多となり、高齢化が事業継続の障壁となっている現状が浮き彫りとなった。
産業別では、サービス業の倒産件数が2,569件(前年比2.2%増)と最多で、建設業の1,444件(同0.9%増)、小売業の1,230件(同8.6%増)と続いた。
消費税増税の影響が注目されるサービス業と小売業を細かく見てみると、飲食業の倒産件数が前年の740件から799件に、アパレル製品などの小売業が前年の199件から236件にそれぞれ大きく増加。建設業は約4,500件あった2008年から一貫して下げ続けてきたものの、今回11年ぶりに前年比でプラスへ転じた。
全国9地区のうち、四国、東北、九州において倒産件数が前年比で2桁増となったほか、関東が10年ぶりに、近畿が2年ぶりに増加に転じた。一方、北海道と中部は前年より倒産件数が少なかった。
倒産件数こそ11年ぶりに増加へ転じたものの、大型倒産がなかったため負債総額は過去30年で最も少ない金額となった。実際、倒産企業のうち74.0%は従業員5人未満の零細企業で、上場企業の倒産はシベール(ジャスダック)の1件のみだった。(記事:dailyst・記事一覧を見る)