NYの視点:米中、第1段階貿易協定の署名へ期待集まる
2020年1月14日 07:40
*07:40JST NYの視点:米中、第1段階貿易協定の署名へ期待集まる
劉副首相が率いる貿易交渉団が13日から訪米し、15日には第1段階貿易協定の署名式が盛大に行われる。2年間にわたった貿易戦争が停戦に向かうことになる。さらに、初めて、概要も公表される。この間、輸出主導の中国経済はほぼ30年ぶりの低成長に落ちこんだ。
中国政府は依然、3700億ドル規模の商品に対する関税が維持されるため、関税の解消が不十分とし、合意にいったん躊躇したようだが、合意により米国政府が12月の半ばに計画していた1560億ドルの消費関連品に対する関税を免れたほか、一部の関税率が引き下げられることになった。また、合意の中に、為替操作に関連する状況が含まれるため、米国政府は中国の為替操作国との認定を解消する。
第1段階貿易協定の合意にともない、第2段階の協定に向けた交渉が速やかに開始される。それとは別に、米中は経済改革を推し進め、対立解消のために年2回の経済協議を再開することで合意した。
ムニューシン米財務長官によると、米中第1段階貿易合意の内容は非常に広範にわたるものだという。ただ、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表やムニューシン米財務長が指摘したとおり、中国政府も、「貿易戦争はまだ終了したわけではなく15日の署名は「第1段階に過ぎない」」と確認している。
米国の農業関連企業は総じて合意成立を歓迎している。今後は、中国政府が果たして現行の倍500億ドル規模の米農産物の購入が実行できるかどうかに焦点が集まる。《CS》