JR東、食品ロス防止へ東京駅でフードシェアリングの実証実験
2020年1月8日 06:53
JR東日本グループのJR東日本スタートアップは、1月14日よりJR東京駅で食品ロスの削減とエキナカ店舗のエコシステム構築を目指した実証実験を始める。フードシェアリングサービス「タベテ」を運営するコークッキング、鉄道会館の2社と共同で進めるもので、2月14日までの1カ月間実施する。
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実証実験は「グランスタ」など東京駅構内の店舗が閉店したあと、売れ残った商品をコークッキングが買い取り、駅で働く従業員向けに休憩室に開設する店舗の「レスキューデリ」で販売する仕組み。ブランジェ浅野屋、デイジイ東京、ほんのり屋東京本店などの店舗が参加し、パンの詰め合わせや弁当、おにぎりなどを提供する。
エキナカ店舗は閉店まで一定の品ぞろえを確保しなければならないうえ、天候によって見込み客数が大きく変動するため、どうしても売れ残り商品が生じやすい。これを解消するために、実験的に従業員へ販売することでどれだけ食品ロスを削減できるか検証する。
農水、環境の両省によると、売れ残りや期限切れ、食べ残しなどで出る食品廃棄物は国内で年間2,759万トンに達する。このうち、まだ食べられるのに捨てられている食品ロスは年間643万トンもあり、毎日10トンの大型トラック約1,700台分に及ぶ。世界の食品廃棄量は年間約13億トンに上り、人が消費するために生産された食品の約3分の1を占めている。
日本の食品ロスの半数以上は事業系で、主に規格外品や返品、食べ残し、売れ残りで発生する。農水省は容器包装の工夫で鮮度保持期間を延ばすなど、食品ロス削減に向けた努力を事業者に呼びかけているほか、アプリ開発業者と飲食店、食品物販店が連携したフードシェアリングサービスを推奨している。(記事:高田泰・記事一覧を見る)