大型の常設eスポーツ施設が相次いでオープン

2019年12月29日 21:40

 大型のスクリーン上でサッカーなどコンピューターゲームを競う常設のeスポーツ施設が、ここ数年、全国各地で相次いで開設されている。2020年の新規オープンも東京、大阪などで予定されており、異業種からの参入も活発。経済産業省も業界団体と連携して活性化の方策を検討しており、成長産業として注目を集めている。

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 eスポーツはElectronic Sportsの略で、ビデオゲームを使って対戦するスポーツ競技。eスポーツという言葉が使われ始めたのは2000年に入ってからで、15年から16年にかけて相次いで業界団体が設立された。18年には3団体が合併して一般社団法人・日本eスポーツ連合(JeSU)として一本化されている。

 Gzブレインの調査によると、eスポーツの市場規模は「18年の約48億円が22年には100億円、ファン数は383万人から786万人に膨らむ」と試算している。業界では「オリンピックの正式種目入りも視野に」との期待が膨らむなど、盛り上がりを見せている。

 ここ数年、eスポーツ大会を開催できる施設の新設も活発。18年には「esports STADIUM SAPPORO」、「LFS池袋 esports Arena」など、19年には「コミュファeSports Stadium NAGOYA」、「e-sports FIELD YASAKA」(京都)、「esports stage EVOLVE」(神戸)などがオープンした。

 その後の発表では、2020年1月、東京・銀座に3階建ての「コナミクリエイティブセンター銀座」がオープンの予定。2階の「esports 銀座studio」をメインに、1階が販売の「esports 銀座 store」、3階が人材育成を担う「esports 銀座 School」という構成で、日本初のeスポーツ複合施設との触れ込み。

 同年3月には、大阪・吹田のEXPOCITY内にレッドホースコーポレーションと電通などの協業による「REDEE」がオープンする。広さ4,800平方メートル、幅40メートル・高さ8メートルの巨大スクリーンを備えており、大規模な大会を誘致して年間20万人の来場を見込んでいる。

 同年4月、大阪・日本橋にサンユー都市開発がオープンする「e-ZONe~電脳空間~大阪日本橋」は、eスポーツ特化型ホテルで、泊まれるeスポーツ施設がコンセプト。9フロアのうち1~3階が71席のPCブースのあるゲーミングフロアで、実況配信用設備も備えている。

 なおJeSUは経済産業省から「令和元年度 新コンテンツ創造環境整備事業(eスポーツに係る市場規模等調査分析事業)」を受託。(1)国内のeスポーツ市場規模の試算(2)海外でのeスポーツの発展の経緯(3)eスポーツの社会的意義、の整理・検討に取り組んでいる。(記事:澄・記事一覧を見る

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