玩具業界、2期連続増収も好不調企業の二極化が進む 東京商工リサーチ調査
2019年12月25日 17:18
東京商工リサーチの調査によると、玩具業界は売上・利益ともに伸びているものの、業績が好調な企業は一部に留まり、小売業で苦戦が続くと見込んでいることが分かった。
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■玩具業界の小売業は小規模企業が中心
23日、東京商工リサーチが玩具業界の業績動向調査の結果を発表した。これは、同社の企業データベースから主業種が玩具・人形製造業、玩具卸売業、玩具小売業で売上高と当期純利益が比較可能な「玩具業者」489社を抽出・分析したもの。ただし主な取扱品がスロット台、楽器、スポーツ用具、観光土産物、業務用花火、庭園遊具、エアガンの企業は除外している。
489社を資本金別で分けると、製造業では資本金1,000万円以上の企業が58.4%、卸売業では74.2%と中堅・大企業が多くを占めたものの、小売業では資本金100万円以上1,000万円未満の企業が33.8%となるなど、資本金1,000万円未満の企業が63.1%となった。
■玩具業界全体は2期連続で増収増益
最新期における489社の売上高合計は前期比0.9%増の3兆361億800万円だった。前期の28.7%増から売上の伸びは鈍っているものの2期連続で増収となっている。また純利益は3,353億9,300万円(前期比32.6%増)となり、こちらも2期連続で増益となっている。
■好調な企業と不調な企業に二極化
売上高伸長率をみると、最も多いゾーンは0%以上5%未満の195社。増収が5%以上10%未満が31社、10%以上が60社となった一方、伸び率が-5%から0%未満が59社、-10%から-5%未満が53社、-10%未満が90社となっている。ここから横ばいとなった137社を除くと、増収企業は151社、減収企業は202社となり、「小幅ながらも売上を伸ばす企業がある一方、業績が低迷する企業も混在し、業界内の二極化は拡大」している。
■好調な企業は一部に留まる
売上高を業種別でみると、製造業の最新期は前期比1.1%増の2兆2,364億7,600万円となり、2期連続の増収。卸売業は5,875億5,100万円で、こちらも2期連続で増収となっている。小売業は同4.0%減の2,120億8,100万円となり、「一進一退で苦戦が続いている」という。
ただし、いずれの業種でも減収企業の数が増収企業の数を上回っており、売上が好調な企業は一部に留まっていることが分かる。また、インターネット通販が伸長しているため、引き続き小売業が苦戦すると見込んでいる。(記事:県田勢・記事一覧を見る)