中古パソコン市場が買い替え需要で好調続く マーケットエンタープライズ調査
2019年12月20日 09:12
マーケットエンタープライズの調査によると、小型の中古冷蔵庫や縦型洗濯機の取扱数量が減少し価格が下落していることから、単身向け生活家電で高性能やブランドを求めない傾向が明らかになっていることが分かった。
■中古冷蔵庫は量・額とも前年比マイナス
17日、リユース品買取・販売ウェブサイト「ReRe(リリ)」などを運営するマーケットエンタープライズが、中古市場で人気の4家電(テレビ、パソコン、冷蔵庫、洗濯機)の市場分析結果を発表した。
中古冷蔵庫の販売量は2016年から3年連続で前年比プラスが続いていたものの、19年には前年比19%減となった。また販売総額は16年こそ前年比7%増となったものの、17年以降は3年連続で15年の水準を下回っている。特に19年は、1~2ドアの中古冷蔵庫の販売量が前年比30%減、販売総額は同29%減となっており、「従来牽引してきた単身用家電の行き詰まり」の影響があるという。
■中古洗濯機はファミリー向けが好調
中古洗濯機をみると、19年の販売量は15年比約2.2倍、販売総額は同52%増とどちらも好調を維持している。ただし単身者向けの多い縦型洗濯機をみると、18年まで3年連続で販売量・総額とも前年比プラスが続いていたものの、19年の販売数量は前年比つ10%減、販売総額は同1.2%減に留まっている。
ただし、「ファミリー用途のドラム型は販売量・額 はそれぞれ約40%、約60%増で洗濯機全体をカバーする格好」となっており、洗濯機全体のプラスにつながったようだ。
■中古テレビは不振、パソコンは買い替え需要で好調
大型化・低価格化が続いている中古テレビの販売単価をみると、16年こそ15年比8.2%増と上昇したものの、以降は3年連続で下落し、19年には15年比16.5%減に下がっている。今後、大型テレビは物理的に設置の限界があるため飽和すると予測し、「2020年の普及をピークに高機能で中大型かつ低価格なテレビが、中古市場の主戦場になる」と推測している。
その一方で中古パソコンは販売量・総額ともに4年連続で大きく上昇している。19年の販売量は15年比約2.9倍、販売総額は同約2.8倍と大きく伸びた。2020年1月にWindows7のサポートが終了するため、駆け込みでの買い替え需要が好調につながった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)