映画『ハリエット(原題)』奴隷解放に命をかけた黒人女性、その激動の人生を描く
2019年12月16日 18:27
映画『ハリエット(原題)』が、2020年3月より、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国公開される。
■奴隷解放運動に命を懸けた、黒人女性の人生
アメリカ・メリーランド州の農園の奴隷として幼い頃から酷使されながらも、ある時脱走に成功し、隷解放運動に命をかけた黒人女性、“ミンティ”ことハリエット・タブマン。アフリカ系アメリカ人女性としては初めて20ドル紙幣に採用され、アメリカではだれもがその名を知る彼女の歩んだ人生を描くのが、『ハリエット』だ。
■第77回ゴールデングローブ賞にノミネート
本作の監督を務めたのは、『プレイヤー/死の祈り』などで知られる女性監督ケイシー・ レモンズ。さらにハリエットを、ミュージカル女優として活躍するシンシア・エリヴォが演じた。
自らの命を危険にさらしつつも奴隷解放運動に携わったハリエットを描いたこの作品。第77回ゴールデングローブ賞では、シンシア・エリヴォが主演女優賞に、さらにテーマ曲の「スタンド・アップ」が主題歌賞にノミネートされている。
■ストーリー
1849年のある日。ミンティの奴隷主であるエドワード・ブローダスの急死に、物語は幕を開ける。エドワードの妻エリザと跡取り息子のギデオンは借金の返済に迫られ、ミンティを売りに出す。遠く離れた南部へと送られてしまえば、もう家族には会えまいと感じたミンティは、脱走を決意。神の導きと夜空に輝く北極星だけを頼りに、奴隷制が廃止されたペンシルベニア州へと独り旅立った。
執拗に追ってくるギデオンから逃げきったミンティは、ペンシルベニア州の首都・フィラデルフィアにどうにか到着。彼女はそこで、奴隷制度廃止運動家ウィリアム・スティルと出会い、“ハリエット・タブマン”という名で新たな人生を歩みだす。しかし、夫のジョンやなおも奴隷生活を続ける家族との距離に葛藤を覚え、危険を承知でメリーランド州へと舞い戻る。
やがて奴隷解放運動の秘密組織「地下鉄道(アンダーグラウンド・レールロード)」の一員となったハリエットは、奴隷の逃亡を手助けする“車掌”として活躍。そんななか、奴隷主たちに逃亡した元奴隷たちを連れ戻す権利を認める「逃亡奴隷法」が制定。自らもギデオンや奴隷ハンターたちに追われる身でありながら、ハリエットは幾たびとメリーランド州に舞い戻り、数多くの奴隷を自由へと導くのだった──
■作品概要
『ハリエット(原題)』
公開日:2020年3月より、TOHOシネマズ シャンテほかにて全国ロードショー
原題:HARRIET
監督:ケイシー・レモンズ
出演:シンシア・エリヴォ、レスリー・オドム・Jr、ジャネール・モネイ
配給:パルコ
2018年 / アメリカ / 125分 / カラー / シネスコ