「業務スーパー」展開の神戸物産、19年10月期は増収増益
2019年12月15日 21:49
■売上高は前期比12.1%増、営業利益は同22.4%増
神戸物産(3038)は13日大引け後に19年10月期の通期連結決算を発表した。売上高は前期比12.1%増の2,996億1,600万円、営業利益は同22.4%増の192億3,900万円、経常利益は同22.8%増の194億3,400万円、最終利益が16.3%増の120億5,600万円と増収増益だった。売上高営業利益率は前期の5.9%から0.5ポイント改善の6.4%と好調な決算だった。
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米中貿易摩擦などの対外的な要因や、ドラッグストアやECの台頭など、経営環境においては厳しい状況だったが、積極的な商品開発など顧客ニーズを素早くとらえた商品を、高品質かつ最適な値段で提供。また主力の業務スーパー以外の事業も好調だったことから、すべてのセグメントで増収を記録。決算発表と同時に1株35円の期末配当予想を5円引き上げ、40円の期末配当とすることを発表。業績の好調さを表している。
■業務スーパーを全国で845店舗展開
神戸物産は、緑の看板である「業務スーパー」のFC本部として、19年10月末時点で845店舗のFC加盟店に向け指導援助を行う。冷凍食品や加工食品を中心に自社プライベートブランドの商品開発にも力を入れており、近年はメディアの露出が増えたことから客足を伸ばしている。19年10月期は32店舗の新規開店となり、目標出店数の25店舗を上振れた。
売上の9割以上を占める業務スーパー事業の他には、直営およびFCで展開中の外食・中食事業である「神戸クック事業」や、子会社にて外食展開を行う「クックイノベンチャー事業」、太陽光発電や木質バイオマス発電による「エコ再生エネルギー事業」と、食と環境をテーマに事業多角化を進めており、業容拡大に向けて動いている。
■22年10月期の売上目標は3,467億円、営業利益は230億円
また、22年10月期までの中期経営計画も発表している。「食」の分野において小売、中食、外食、製造に事業を拡大し、併せて「食」を通じた社会貢献活動や環境に配慮した事業を行い、ESGの取り組みを進めていく方針だ。業務スーパーは早期に900店舗達成を目指し、「食と製販一体体制」を強化するためのM&Aも積極的に推し進めるとしている。
中期経営計画数値目標は、22年10月期において、売上高が3,467億円(19年10月期比15.7%増)、営業利益は230億円(同19.5%増)、ROEは毎期20%以上を維持するとした。独自性の高いFCモデルと、プライベート商品への取り組みに対するどん欲さからも、引き続き業容拡大が見込めそうだ。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)