HEROZ、公募増資および市場変更を発表 株式は2分割へ
2019年12月9日 16:40
■2Qの売上高は17.2%増、営業利益は6.4%増
HEROZ(4382)は6日大引け後に、20年4月期第2四半期累計(19年5月~10月)決算を発表。売上高は前年同期比17.2%増の7億5,700万円、営業利益は同6.4%増の2億4,400万円、経常利益は同4.0%増の2億3,800万円、純利益は同3.5%増の1億6,400万円だった。
また、同時に新株式発行及び株式の売出しを決議したことを発表し、12月25日付で東証1部もしくは2部市場への市場変更を実施。公募増資による増加株数は33万5,400株で、現在の発行株式総数の約4.8%の希薄化が起きる模様。その他20年2月1日付で普通株式1株に対し2株に分割することを決議し、流動株式数が増加する予定だ。
■SMBC日興証券と業務提携を発表
自社研究のAI技術を活用したディープラーニングMLaaS(machine Leaening as a Service)を提供しているHEROZ。18年4月に東証マザーズ市場へ上場し、初値は公開価格の10.9倍と異例の初値がつき、市場で話題となった。将棋AIや囲碁AI等の頭脳ゲーム領域では世界トップを走る企業である。
将棋等の棋譜データのAI解析技術を生かし、企業等のデータをディープラーニング活用によって分析し、サポートや最適化など企業活動に生かすためのAIプロダクトを提供、BtoB向けサービスを強化している。
竹中工務店やマネックス証券、バンダイナムコホールディングス等大手企業とのサービス提供を行ってきたが、12月6日にSMBC日興証券と業務提携契約を締結し、新たな金融サービスの開発や業務効率化のためのシステム開発を担っていく。
■中長期の成長には投資が不可欠
今回の公募増資によって約40億円の資金調達を行う予定だが、いずれも事業拡大に向けた資金に充てていく方針だ。AI開発における優秀なエンジニアの採用や、サーバー等への設備投資へ調達資金を提供する予定で、力を入れているBtoB向けサービスによる収益拡大に向けた先行投資を行っていく模様。
東証1部もしくは2部への市場変更には少なからず条件があり、東証1部への市場変更には、「直近2年間の利益合計が5億円以上」もしくは「時価総額が500億円以上」が必要で、どの企業でも市場変更ができるわけではない。AI技術の開発提供会社として市場から高い期待を受けており、市場変更を機に機関投資家を中心とした投資を集める可能性が高いと言えそうだ。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)