JAL、米UCLAと連携協定を締結 海外の大学とは初めて
2019年11月30日 09:22
日本航空(JAL)は27日、アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)との間で、共同研究・人的交流などを行う連携協定の覚書を締結した。JALはこれまで国内の大学との間で積極的に連携協定を結んできたが、海外の大学とは初めて。これを機に日米交流活動を深めるとともに、インバウンド(訪日外国人)増加などの背景を受けて、国際的な人財交流の輪を拡げていくのではないかとみられている。
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UCLA(University of California, Los Angeles)は1919年に開設。カリフォルニア州で学生数が最も多い総合州立大学で、多くのノーベル賞受賞者を出している。「インターネット誕生の地」ともいわれる。航空機部品などの調達を担うJALグループのJAL Engineering USA社とUCLA TERASAKI CENTER FOR JAPANESE STUDIES(日本研究センター)が社会貢献活動などで協力関係にあったため、今回の協定締結により関係をさらに拡大し深めることにしたもの。
UCLA日本研究センターは1991年、UCLAで日本研究のインフラストラクチャを強化するために設立。ポール&ヒサコ寺崎夫妻からの新たな寄付によりTERASAKIの名が付けられた。今回の連携協定は、アメリカの同センターのWebサイトでも趣旨が大きく掲載されている。
「JALとUCLAは、UCLAの研究者と学生が日本で学ぶことを支援することで、日米間の文化交流を促進するとともに、自然災害に苦しんでいる日本の被災地域を支援し、防災への取り組みと言葉を海外へ広く発信する手助けをする予定です」。
JALは直近の3~4年だけでも京都外国語大学、同志社女子大学、中央大学、琉球大学、慶応大学、長崎大学、筑紫女学園大学、東京工業大学、安田女子大学など10校を超える大学と連携協定を結んできた。一方、ライバルのANA(全日本空輸)もANAエアラインスクールを運営するANAビジネスソリューションを通じて、JALと張り合うように大学との連携協定を結んでいる。
マイナビと日本経済新聞社が発表する「2020年卒業就職企業ランキング」によると、文系女子の部門で、ANAが第1位、JALが第3位。それ以前は両者が1、2位を続けて占めていた。男子も含めた文系総合ランキングでは、ANAは前年1位から2位に、JALは2位から5位に後退している。しかし、依然上位にあることは間違いなく人気度は衰えていない。
大学との連携協定は「人材確保の手段ではない」が建前だが、功を奏していた面があるのは否めない。JALとUCLAとの連携協定が、国内大学一辺倒の流れを変えるキッカケになるかどうかが注目される。(記事:澄・記事一覧を見る)