企業の人手不足感、製造業で大幅減少 非製造業では横ばい 帝国データバンク調査
2019年11月25日 08:52
帝国データバンクは20日、10月に行った人手不足に対する企業の動向調査の結果を発表した。前年同月と比べ、製造業での人手不足割合が大幅に減少する一方で、非製造業では横ばいとなった。また、正社員に不足を感じる企業の割合は同2.4%減ったものの依然として5割超の高い数値を維持する一方、非正社員においては4.8%減り29.3%と10月としては3年ぶりの20%台となった。大手企業においては、正社員の不足感が10月としては過去最高を更新した一方、中小企業においては減少した。
4月より施行された働き方改革法案の影響や少子高齢化の進展などにより、人手不足感はしばらく続くものと予想される。また、中小企業において人手不足倒産の件数が増加するなど、人手不足への対応は経営課題の一つとなりつつある。かかる状況下、今回の調査は、帝国データバンクが10月下旬に人手不足に対する動向について、全国2万3,731社を対象に行ったもの。帝国データバンクは、同様の調査を2006年5月より毎月実施している。
人手不足を感じていると回答した企業の割合は、前年同月の調査結果と比べ、全体として減少した。製造業と非製造業で分けて見ると、製造業では正社員で前年同月比9.1%減、非正社員で同11.5%減と大幅に下がった。一方、非製造業では正社員で同0.2%増、非正社員では同1.9%減と前年からほぼ横ばいであった。製造業における人手不足感の低下は、国内製造業の景況感の悪化に伴うものと考えられる。
正社員と非正社員に分けて人手不足感を見ると、正社員は前年同月比2.4%減の50.1%となった。業種別では、情報サービスが同0.9%増の75.3%で1位となり、2位以下は建設、運輸・倉庫、自動車・同部品小売、娯楽サービス、医療・福祉・健康衛生が続いた。また、大企業においては同0.6%増の61.4%と10月としては過去最高を更新した一方、中小企業は同3.0%減の47.3%となった。
非正社員においては、同4.8%減となる29.3%の企業が不足を感じていると回答した。業種別では、1位の飲食が同6.1%減の78.3%で引き続き高い水準を示した。2位以下は娯楽サービス、旅館・ホテル、飲食料品小売が続き、引き続き労働集約型の業種が上位を占める結果となった。(記事:dailyst・記事一覧を見る)