ポルシェとして初の完全電動スポーツ「タイカン」、日本初公開
2019年11月22日 09:41
ポルシェ・ジャパンは、11月20日にポルシェ初のフル電動スポーツカー、タイカンを国内報道陣向けに初公開し、「期間限定タイカン予約プログラム」を開始すると発表した。
タイカンはポルシェの伝統を受け継ぐポーツカーだ。前後に搭載した2基の電気モーターによりトップグレード「タイカンターボS」で出力761psを発揮し、0-100加速は2.8秒に達する。航続距離は最長463kmという。
ポルシェ規準のステアリングを通じて得られる安心感、安定性の高いハンドリング、快適な乗り心地は、高剛性かつ軽量なボディ、低重心設計、卓越したエアロダイナミクス性能などにより達成。
電動ドライブトレーンには革新的な2基の永久磁石シンクロナスモーター、世界最高レベルの高速充電を実現する800Vシステム、後輪用モーターに組み込まれた2速変速機構を採用する。また、タイカンの高速充電性能を生かすため、ポルシェ・ジャパンは全国のポルシェセンターや公共施設に次世代CHAdeMO対応の急速充電器を設置する。充電出力は国内でもっともパワフルな150kWで、タイカンの車載バッテリーを30分以内に80%まで充電する能力を持つ。
ドライバーの正面に位置するメータークラスターはポルシェ初となるフルデジタル式とし、最良の視認性を実現するため適度に湾曲した16.8インチの大型ディスプレイを採用。加えてダッシュボードの中央に10.9インチのセンターディスプレイを配備し、ホーム画面からすべての機能に直接アクセスできるオペレーティングシステムを新たに採用した。
また、音声を通じて多彩な機能を操作できるボイスコントロールやスマートフォンからドアの施錠状態や駐車位置を確認できるコネクテッド機能のPorsche Connectも装備。なお、タイカンはApple Musicを車両の機能として組み込んだ世界初の自動車となった
タイカンは走行時にCO2を発生しないだけでなく、生産時のCO2ニュートラルにも配慮した。タイカンを生産するツッフェンハウゼン新工場は、バイオガスで稼働するコジェネレーションプラントを設置して環境負荷を低減、風力、水力、太陽光などの天然エネルギーで生み出された電力を幅広く採用する。
車両に使用される素材も軽量でリサイクルが容易なアルミニウムをボディの37%に採用。シート地には、なめし行程に有機素材であるオリーブの葉を用いたクラブレザーのOLEAをオプション設定したほか、リサイクル繊維を用いて生産時のCO2排出量を80%削減したマイクロファイバー素材「Race-Tex」も用意する。また、フロアカバーにはリサイクル繊維のEconylを用い環境への負荷を軽減した。
タイカンはインテリアにサスティナブルな素材を採用して地球環境に配慮しながら、いっぽうでエクステリアデザインやパフォーマンスはポルシェを主張する。操縦感覚はあくまでポルシェそのもので、ステアリングを握った印象だけでなく、着座姿勢やコクピットのデザインにも911と共通の思想が採り入れられている。(編集担当:吉田恒)