世界保健機関、エボラワクチンを初めて事前認定
2019年11月17日 08:23
世界保健機関(WHO)は12日、エボラワクチン1種を初めて事前認定したことを発表した(ニュースリリース、 Ars Technicaの記事、 SlashGearの記事)。
事前認定はワクチンの品質・安全性・効果がWHOの基準を満たすことを示すものだ。WHOではエボラワクチンの事前認定が急を要することから、臨床データが届いた時点で安全性と効果を確認するなどプロセスを高速化し、過去最速の事前認定を実現したとのこと。
今回事前認定されたのはMerck(米国・カナダ以外ではMSDとして知られる)が製造するErveboという注射型のエボラワクチン。このワクチンはカナダ政府が開発し、2015年にギニアでザイール株エボラウイルスに対する高い効果が確認されたrVSV-ZEBOV-GPであり、Merckはライセンスを受けて製造している。欧州医薬品庁(EMA)では10月、エボラワクチンとしてErveboを条件付きで販売認可するようEUに勧告していた。
5年前には有効なワクチンも治療法も存在しなかったエボラ熱だが、事前認定されたワクチンと実験的な治療法により、現在は予防と治療が可能になったとWHO事務局長のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス氏は述べている。