インド・ニューデリーの大気汚染が深刻、1日滞在でタバコ33本の煙吸引に相当
2019年11月6日 11:33
*11:33JST インド・ニューデリーの大気汚染が深刻、1日滞在でタバコ33本の煙吸引に相当
インドの首都ニューデリーの大気汚染が深刻な状況に陥っている。報告によると、ニューデリーの多く地域では、空気の微小粒子状物質(PM2.5)などを測定する機器は11月3日にマックス999に達したという。
専門家の計算によると、この数値では1日滞在するだけで計33本以上のタバコの煙を吸引することに相当するという。こうした状況を受け、同市政府は市内すべての学校に対し、5日までの休校や、市内の建築工事などを5日までに停止することを求めた。このほか、ニューデリー市政府は自動車の通行規制やディーゼル車などの短期的な使用禁止を命じた。
インド当局は、ニューデリー市の大気汚染について、同市近郊の農村部による藁(わら)の焼却処理や、自動車の排気増が主因だと報告した。また、火力発電所で使用されている石炭は低品位の褐炭が多いことも一因だといわれている。ほかに、都市部のゴミ焼却処理やニューデリーは砂漠から近いなども空気品質を悪化させていると分析されている。
世界保健機構(WHO)によると、インドにおける慢性的な呼吸器疾患で死亡につながった件数が世界でもっとも高いという。全世界毎年、大気汚染で数百万人が死亡したと報告され、うち63万人弱はインドで発生したとも報告されている。《AN》