マクドナルド、最高の店舗体験提供と商品力強化で成長継続を目指す
2019年11月3日 07:26
日本マクドナルドは、10月28日に「フィレオフィッシュ」を25年ぶりにリニューアルすると発表した。
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マクドナルドは今年、おいしさにこだわりながら、これまで以上にバリューを重視する「もっとおいしさ&バリュー向上宣言」を掲げている。その一環として、「フィレオフィッシュ」の冷凍工程を2回から1回とし、魚をより新鮮な内に素早く加工、さらなるおいしさを追求した。
日本マクドナルドは1971年に設立され、第1号店を東京銀座三越店1階にオープンした。1975年に全店年間売上高100億円を突破し、翌年には初めてのフランチャイズ店を沖縄に出店し、100号店オープンも達成した。
1980年には年間売上高500億円を突破し、翌年300号店をオープンした。1991年、外食産業で初の年商2,000億円を達成し、1996年に2,000号店をオープンした。2002年に持株会社制へ移行し、商号を変更した日本マクドナルドホールディングスの動きを見ていこう。
■前期(2018年12月期)実績と今期見通し
前期は既存店売上高が前年比6.9%増と好調な中、フランチャイズ店を含む全店売上高は5,242億円(前年比6.9%増)、自社の売上高は2,722億円(同7.3%増)、経常利益は前年よりも59億円増の256億円(同30.1%増)であった。
経常利益増加の要因としては、顧客第一の施策効果に伴う売上高増加により80億円、店舗収益性改善により26億円の増益に対し、店舗人材への投資増で20億円、貸倒引当金戻入の減少で27億円の減益によるものである。
今上半期(1-6月)の既存店売上高は前年同期比4.2%増、全店売上高2,657億円(前年同期比4.4%増)、経常利益152億円(同8.7%増)という実績を受けて、今期は既存店売上高4.8%増、全店売上高5,510億円(前年比5.1%増)、経常利益271億円(同5.7%増)を見込んでいる。
■中期経営方針(2018年~2020年)による推進戦略
全店売上高の年平均5%以上成長、経常利益年平均10%以上成長を目指して、次の戦略を推進する。
1.成長のための経営基盤「最高の店舗体験」「ピープル」「ブランドトラスト」の強化
・最高の店舗体験: QSC(Quality、Service、Cleanliness)の向上で最高の体験提供。
・ピープル: 店舗体験を支える人材の全国採用、教育強化と主婦(夫)クルー増員。
2.コアビジネス「メニュー」「バリュー」「ファミリー/ブランド」で商品力強化
・メニュー: 世界のバリスタ監修のコーヒー、ソフトクリームの新スイーツ、夜マックとご当地グルメバーガー開発。
・バリュー: おてごろマック、バリューランチ、バリューセットの提供。
・ファミリー/ブランド: 子供向け職業体験プログラム実施、病気の子供滞在施設支援、温暖化ガス削減の強化。
3.成長を加速する取り組み
・デリバリー: 前期末までに496店で実施。
・デジタルメニューボード: 1498店で実施。
・デュアルポイントサービス: 注文と受け渡し場所の分離2,004店で実施。
・店舗の再構築: 新規出店、閉店、既存店の改修により総店舗2,899店の内、92%がモダン店舗へ改装。
店舗力を強化して既存店売上高44カ月連続プラスを達成し、着実に長期的・安定的な成長を目指すマクドナルドの動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)