10月23日は電信電話記念日 黎明期から150年、激変する通信事情

2019年10月24日 11:43

 10月23日は電信電話記念日。1869年(明治2年)のこの日に東京・横浜間の電信線の架設工事が始まったのを記念して、1959年に当時の電気通信省が制定したもの。明治2年から今年はちょうど150年。この間、電気通信をめぐる環境は激変したが、地殻変動はまだ続いている。記念日を機に150年を振り返ってみた。

 明治2年と言えば、前年に始まった戊辰戦争が鳥羽・伏見の戦いをへて五稜郭の戦いで終わって間がない頃。東京・横浜間で電報の取り扱いが始まり、イギリスからのモールス印字電信機の輸入、外国との電報送受、ベルによる電話機の発明など、まさに電気通信の黎明期だった。

 日本の電気通信事業を担った逓信省はその後、電気通信省となり、1956年に郵政省と日本電信電話公社に分離。公社は85年4月には民営化され、日本電信電話株式会社(NTT)となった。この年、当初は電気通信記念日だった名称が電信電話記念日に変わっている。

 その後、NTTの独占は終わり、移動通信の台頭とインターネットの登場で、電話の主役は固定電話から携帯とIP電話に交代した。総務省の情報通信白書(2019年度版)によると、2001年度末に6,000万を超えていた固定電話の契約数は、2018年度末には2,000万を割り込むまでに激減。逆に携帯は約7,500万から1億8,000万強へと人口をはるかに上回るまでに成長した。OABJ型と呼ばれるIP電話も3,441万にまで増え、固定電話に取って代わりつつある。

 電話の主役の座についた携帯をめぐる環境の変化も目まぐるしい。4Gから5G「第5世代移動通信システム」への移行に加えて、docomo・au・SoftBank3社が競争を繰り広げる市場に楽天が参入、さらに中古スマホのSIMロック解除も義務づけられ、競争がさらに激しさを増すことになった。

 なお、電信電話記念日に深く関わりのあるNTTグループでは23日、全国各地での記念式典をはじめ、東京では帝国ホテルでOBが交流する記念行事を行った。また同日夜には、NTT横須賀通研アマチュア無線クラブが、業務では使われなくなったモールス通信などで交信数を競う「第31回電信電話記念日コンテスト」を開催した。(記事:澄・記事一覧を見る

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