日経平均、年初来高値を更新・・ある主婦投資家のため息

2019年10月21日 11:16

 18日の東証「日経平均株価」は前日比40円82銭高の2万492円68銭となり、16日につけた年初来高値を更新した。しかし、昨年12月の水準を超えてきたものの、まだ過去最高値の6割弱の水準。ここ5年ほど続いている2万円を境にしたもみあいからでさえ、「抜け出せる日は来るのか」とは、ある素人主婦投資家のため息である。その投資の収支帳簿をのぞいてみた。

 投資歴は30年以上になるので、株を買い始めたのは、日経平均が史上最高値の3万8,915円87銭をつけた1989年12月29日より数年前。タイミングの悪いことに、日経平均は翌90年10月1日に2万円の大台割れ、米国同時多発テロの翌日、2001年9月12日には1万円の大台を割っている。

 「主婦が株を買い始めると相場は終わり」と言われたものだが、文字通り天井をつかんだ零細投資家の1人である。値下がりした株をじっと抱えて、ひたすら相場の回復を待つという「株式投資家」ならぬ「株式保有家」でもある。

 保有10銘柄を、バブル崩壊前と後に取得したものに分けて、現在の評価損益を計算してみた。

     時価評価額 評価損益 (単位・円、19日現在)
 5銘柄計 2,959,600 +1,057,070
 5銘柄計 2,374,460 -2,246,800
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     5,334,060 -1,189,730

 直近の10年は買い増しで評価益が出ているのと、評価損の比較的少ない銘柄の損切りを行ったので、全体の評価損は減っている。しかし、バブル崩壊前に取得した5銘柄は日経平均の下落率とほぼ同じ、いまだに半値近い水準に低迷している。バブル崩壊で受けた傷跡は消えていない。

 大きく評価損の出ている銘柄には、皮肉なことに最近不祥事で連日のように話題になっている企業が2銘柄も含まれている。まさに「泣きっ面に蜂」とはこんなことを言うのだろう。

 仮に株式相場が活況を呈しても取り残される恐れがある。第三者の目から見れば、さっさと損切りして株主優遇の手厚い銘柄に切り替えればよいと思うのだが、なかなか踏み切れない心情はわかる。当分、彼女のため息は続きそうである。(記事:澄・記事一覧を見る

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