JALとWHILL、羽田空港で自動運転による電動車いすを試験走行
2019年10月19日 09:25
JAL(日本航空)、日本空港ビルディング(羽田空港)、WHILLの3社は17日、自動運転のパーソナルモビリティ(次世代型電動車いす)の試験走行を実施すると発表した。
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実施期間は11月2日~3日とし、場所は羽田空港第1ターミナル南ウイングの3~9番搭乗口とコンコースの間を予定している。JALグループ便に搭乗し、現在車いすを利用しているか、車いすの利用を希望する乗客が対象となり、搭乗口まで電動車いすを利用することができる。
JALは、「JAL Vision」による将来の成長戦略として、空港内を待ち時間なくスムーズに移動できる「JAL SMART AIRORT」を目指す中で、WHILLと提携することとしたものだ。同時に、自宅から目的地まで途切れなくスムーズに移動できる環境を構築すべく、MaaSの概念に基づく実装実験などへの取り組みも強化している。
MaaS(マース)とは、Mobility as a Serviceの略で、北欧のフィンランドで始まったとされ、現在では日本を含む世界中に導入されつつある。交通手段をITによりクラウド化し、マイカー以外のすべての交通手段による移動を一体化しようとする概念である。
例えば、現在は目的地までバス・電車・航空機などを乗り継ぎながら移動するために、それぞれに予約・決済しなければならない。しかし、MaaSを利用することにより、スマホやパソコンなどで最適な移動手段を検索したうえ、予約・決済まで行うことが可能になるのだ。
羽田空港は、2016年に官民連携によるHaneda Roboticks Labを開設し、実社会でのロボットの実装実験を繰り返す中でWHILLの技術を採択した。同Labの活動を通じ、羽田空港利用者に対して安心・安全・便利なサービスを提供するとともに、世界に先駆けたロボット技術を活用した空港像を目指している。
WHILLは2012年5月に設立された会社で、神奈川県横浜市に本社を置き、パーソナルモビリティの生産・販売を主たる事業内容としており、同時に歩道・室内における自動運転システムの開発も行っている。
上記3社は今回の実証実験を皮切りとして、2020年度中にも空港における自動運転システムの商業化・実用化を目指すとしている。(記事:kan1713・記事一覧を見る)