ボディソング、2020年春夏コレクション 破壊的テクニックに生まれた協和音と不協和音

2019年10月18日 17:58

 ボディソング(bodysong.)の2020年春夏コレクションが渋谷ヒカリエで2019年10月15日(火)に発表された。今回は、「ずっと真夜中でいいのに。」とのコラボレーションによるショーだ。

■ずっと真夜中でいいのに。の音楽を背景に

 「正しい偽りからの起床」でデビューし、その後フジロック・フェスティバル'19に出演するなど活動を広げる音楽ユニット「ずっと真夜中でいいのに。」。このショーのために彼らが準備した音楽は、ギターとドラム、そして日常の中の雑音や金属音で編成された垣根のない1曲だ。紙を引き破る音、電子レンジを破壊する音、流れるのは不協和音にも似た不安定な旋律。“破壊的な音楽”が、“破壊的な服”に寄り添っていくーー。

■破壊と構築の狭間

 今季はインダストリアルな要素が強い。工業用資材のようなグレーの素材を張り付けたパンツやシャツ、工事現場の人々が身に着ける安全帯を想わせるベスト。デニムはPVCのボンディングによって、工業的に再解釈されている。

 過剰なまでのレイヤードは、破壊されたあとの再構築の名残だろう。クロップド丈のダッブル風ベストにはワークウェアを肥大化させたアウターと、シャツをセット。さらにバックには、まるで燕尾のようにナイロン素材のファブリックが顔を出している。

 雑多なディテールもまた、“破壊的な服”を思わせ、デニムパンツは、前後で切り替えて、敢えて丁寧につなぎ合わせることをしていない。アウターの袖はジッパーで取り外せる仕組みで、そのジッパーを開けて着こなすのも今季のコンセプチュアルな部分に通じている。

■垣根のない服で楽しむファッション

 ワークウェアを基軸にしながらも、時折見せるアイビーやフォーマルのアイテムは、垣根のない服を象徴するスタイリング。それは、体全体でファッションというひとつのメロディーを奏でていく姿勢だ。破壊的かつ構築的なテクニックを繰り返して“美しい旋律”へと変化させていく。

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