ティート トウキョウ、2020年春夏コレクション 雨露越しにみるぼんやりとした都市風景

2019年10月17日 17:54

 ティート トウキョウ(tiit tokyo)2020年春夏コレクションが、2019年10月14日(月・祝)Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S初日に発表された。テーマは、かすんで見えるもの、ぼんやりしているものを意味する「Blurs」。

 デザイナーの岩田翔と滝澤裕史は、今シーズン新しい洋服の作り方に挑んだ。真っ白なキャンバスに一から描くのではなく、元から存在する風景の中で新しいものを作り出すこと。「都市空間の中でどのようにファッションを発信していくべきか」という問いに対する一つのアプローチとして、これまでのシーズンとは異なる、新しいファッションの構築に取り組んだという。

■ぼんやりとした雨の日の都市を着想源に

 インスピレーションとなったのは、わたしたちが生活している都市の風景。雨が打ちつける窓ガラスや水溜りに映ったマンション、雨露越しにみる街路灯など、いつもとはちょっと違って見える雨の日の街の一角を切り取り、今シーズンのコレクションを進めた。

 岩田翔と滝澤裕史が描く、雨の日はなんとも優しい印象だった。水溜りのように見えるマーブル模様や、降り注ぐ雨を想起させるストライプ模様などは、色鉛筆画のように淡くソフトな色合いで表現され、ブラウスやロングワンピースになって登場している。

 驚くほど軽い質感のテクニカル素材を使ったジャケットやロングコートは、歩みにあわせてゆらゆらと舞い、その休みなく動きまわる様は、雨の中足早に進む都市の人たちを表現しているようだ。

■新たな魅力を纏った市松模様

 また、今季アイコニックに取り入れられていたのが市松模様。誰もが見たことのある当たり前のモチーフを様々なニュアンスでリデザインした。細かな刺繍を埋めるように並べて作ったニットや、肌を透かしてみせるシースルーのトップス、ふんわりとしたフォルムのフリルワンピースなどに起用されている。

■ユニフォームのように登場するシャツ&スラックス

 曖昧さ。そんなインスピレーション源は、メンズ服とウィメンズ服の“ぼんやりとした性差”で具現化された。テロッとした肌触りのやさしいロングシャツとワイドパンツ、ストラップ付のスポーツサンダルをまるでユニフォームのようにメンズモデルもウィメンズモデルも纏っている。

 ドレスルックにあわせたポインテッドトゥパンプスも、フラットソールでアクティブに。そういったフットウェアのチョイスも、カジュアルなスポーツスタイルを好む、現代の都市の姿を表しているようだ。

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