9月のバイト・パート時給、上昇続く 最低賃金改定で10月以降も

2019年10月13日 15:30

 求人サイトを運営するアイデムとディップが9月のアルバイト募集時給について発表し、全国的な時給の上昇が続いており、今後も時給の上昇傾向が続くことが分かった。

【前月は】8月のパート・アルバイト時給は専門・技術職が大幅マイナスに アイデム調査

■東日本エリア、関東4都県は全てプラス

 8日、求人サイト「イーアイデム」などを運営するアイデムは、2019年9月のパート・アルバイトの募集時平均時給を発表した。東日本エリアの平均時給は1,113円で前年同月比41円増だった。

 職種別の大分類では、専門・技術職が同16円減の1,460円、事務職が同3円減の1,017円となった以外は、製造関連・ドライバー職が同38円増の1,019円、飲食サービス職が同27円増の1,004円など、いずれも大幅アップとなっている。

 また、関東4都県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は同44円増の1,126円。このうち、東京都は同43円増の1,147円、神奈川県は同60円増の1,163円、千葉県は同34円増の1,081円、埼玉県は同41円増の1,080円となり、全ての都県がプラスだった。

■西日本エリア、関西3府県は過去最高を更新

 西日本エリアの平均時給は1,075円で前年同月比44円増だった。職種別の大分類では、唯一専門・技術職が同28円減の1,305円とマイナスだったものの、他の職種では清掃・メンテナンス職が同38円増の968円、飲食サービス職が同29円増の946円となるなど、いずれもプラスだった。

 関西3府県(大阪府、兵庫県、京都府)の平均時給は同45円増の1,086円。大阪府は同57円増の1,112円、京都府は同42円増の1,072円、兵庫県は同28円増の1,050円となり、関東同様にこちらも全ての府県でプラスとなっているだけでなく、西日本エリア、関西3府県ともに過去最高の時給となっている。

■ディップ調査は過去最高を更新

 11日、求人サイト「バイトル」を運営するディップも、9月のアルバイト時給データを発表している。2019年9月のアルバイト平均時給は前年同月比46円増の1,094円となり過去最高を更新した。

 大職種別平均では、運搬・清掃・梱包等が1,038円で前年同月比変わらずだった以外ではいずれもプラスとなっており、特に専門的職業が同167円増の1,350円、事務的職業が同61円増の1,171円、飲食が同43円増の1,029円、建設が同41円増の1,243円など大きく時給がアップしている。

■最低賃金引き上げで10月以降も上昇続く見込み

 エリア別では、関東が前年同月比50円増の1,150円、東海が同45円増の1,069円、関西が同45円増の1,099円、九州が同41円増の970円と全てのエリアでプラスだった。「フェスなどのイベント需要」や、「ラグビーワールドカップの特需」などもプラスに働いた。

 また、警備関連では教育時間が短縮されたため「人材確保について各社工夫が見られる」とし、建設関連では、都心のビル街でのリフォーム需要が高く夜間の採用が難しい企業もあるという。さらに最低賃金の改定により10月以降も求人件数の増加が見込まれるとしている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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