ガルリ・カスパロフ、AIの進化に恐怖を感じる必要はない
2019年10月12日 21:50
チェスの元世界王者ガルリ・カスパロフ氏がDigital Transformation Expo (DTExpo)の基調講演で、AIの進化に恐怖を感じる必要はないとの考えを示したそうだ(Computingの記事)。
Avastのセキュリティアンバサダーとして登壇したカスパロフ氏は、1997年にIBMのDeep Blueに敗れて以来、独自の視点からAIの進化を見てきたという。現在の基準でDeep Blueを評価すると目覚まし時計程度の賢さだったといい、大幅に進化した現在のAIとは敵対するのではなく、協力するべきだと気付いたとのこと。
カスパロフ氏はハリウッド映画が進化したAIへの恐怖心に大きく影響しているとしつつ、人類と機械の対立を描いた作品として代表的な映画「ターミネーター」では第1作で人類が勝利し、第2作と第3作では人類が古い機械と手を組んで新しい機械を倒していると指摘。閉じたシステムではAIが人間より優れているとしても、それ以外の場面では人間が機械を導く必要があり、(新しい)機械は人間の手助けを得た古い機械を倒すことができないという。そのため、カスパロフ氏はAIの進化を楽観視しているとのことだ。