ベンツ、Eクラス・クーペ/カブリオレに2つの高性能パワーユニット搭載

2019年10月10日 21:57

 メルセデス・ベンツ日本は、Eクラスのスポーツモデル「クーペ」と「カブリオレ」に、BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)と「+48V電気システム」を搭載した「E200」と「E200スポーツ」、そして新たに258馬力を発生する直列4気筒エンジンを採用した「E300スポーツ」を設定し、発売した。

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 このBSGは、すでに今春には同じEクラスのセダンに搭載していたが、やっとクーペモデルにも採用されたことになる。

 BSGとは、スターターとジェネレーターの役目を持ったモーターのことで、エンジンの補助機能を持っている。いわゆるマイルドハイブリッドに分類されるが、メルセデス・ベンツでは、従来の日本のハイブリッドが500Vという高電圧に対し、48Vという安全で安価なシステムを導入している。

 通常、エンジンが発生する出力は、トランスミッションやパワートレーンでエネルギー損失があり、FRであれば30%から40%までパワーが低下するという。そのため各メーカーでは、この損失改善の研究開発が行われている。

 メルセデス・ベンツでは、このエネルギー損失に着目し、BSGにおいてエンジン前面からプーリーやベルトを排除し、電動化により補器類を稼働させている。(エアコンはこれまで通りベルト駆動)

 そして、エンジン始動時のスターターモーターを大型化し、クルマの発進時にモーターとしてアシスト、1kWhのリチウムイオン電池を搭載した48V電気システムと併用し、エネルギー損失を抑えた。

 E200とE200スポーツは、新開発の1.5L直列4気筒エンジンを搭載し、ターボチャージャーにより184馬力を発生する。これはエンジン内部の摩擦低減を目的とした、メルセデス・ベンツが特許を持つ「CONICSHAPE(コニックシェイプ加工)」を採用しているほか、可変バルブタイミングのカムトロニックの採用で、のびやかな加速を実現している。

 さらにE300スポーツでは、同じ直列4気筒エンジンでありながら、排気量を2Lに拡大し、ツインスクロールターボチャージャーと可変バルブタイミングで低回転から高回転まで、気持ちの良い加速を実現した。

 排気量1991ccで258PSを発揮するため、リッター当たり129PSとかなりハイチューンエンジンを搭載している。

 もちろん、この上にはAMGモデルが存在するわけだが、そちらは別格のスポーツカーであり、通常求める運動性能はこのE300スポーツで十分だろう。

 もう一つ、このBSGは、構造がシンプルであり既存のエンジンに後付けが可能となっている。もしBSGが電動化としてのユニットとして認められれば、内燃機関が廃止される流れとなった場合も、このシステムで既存のエンジンは存続することが可能となる。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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