働き方改革、多様性の実現は「不可能」5割超 「可能」は1割
2019年10月10日 09:13
長時間労働の是正に端を発する働き方改革は既に多くの職場で取り組みがなされている。働き方改革の最終的な目的は一億総活躍社会を実現することであり、ライフ・ワーク・バランスの確立や多様性の実現など多くの派生的なコンセプトに広がりを見せ、国民間に大筋の合意が形成されてきたと言える。
実績についてはまだら模様とも言え、労働時間の短縮や女性、高齢者の雇用拡大に一定の成果が見られる一方で管理職に業務が集中しているなどの問題点も指摘されている。また、テレワーク制度を導入する企業も増えてきているものの、その利用率は極めて低い状態のままであるなどテーマごとで改革の進捗にバラツキが見える。
ITコンサルタント業のInsight Techが自社サイトを利用する男女1253名を対象に「働き方改革」をテーマにアンケート調査を実施、9月25日にその集計結果を公表している。
働き方改革についての知識について聞いた結果では、「改革案の内容を詳しく知っている」と答えた者は3%、「大体の改革案の内容を知っている」が18%、「いくつかの改革案内容を知っている」は40%で、具体的に内容を知っている者は61%となっている。
「働き方改革の取組みの中で、気になるテーマは何か」と1つだけ答えてもらった結果では、「年次有給休暇付与の義務づけ」が25%で最も多く、次いで「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」が21%、「時間外労働の上限規制」20%の順となっている。
「今後、働き方改革の目標(働く者の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く者1人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること)の達成は可能だと思うか」という質問に関しては、「思う」と答えた者は12%のみで、「わからない」が35%、「思わない」が53%と半数超えの者が目標は達成されないと思っているようだ。
自由記述欄をみると「残業」、「給料」、「有給」といったワードが多く見られ、「中小企業では実施が難しい」という意見が目立った。また、「収入が減る」、「仕事量が変わらない」、「サービス残業が増える」などの文章が多く、目標の達成よりも収入の減少や労働負荷の増大を懸念している者が多いようだ。(編集担当:久保田雄城)