現代の車からCD/DVDプレーヤーが消えていく理由は?
2019年9月26日 11:57
もう車の中でCDを聴いたり、DVDを見る時代は終わるのだろうか。
9月17日、トヨタ自動車からカローラセダンおよびカローラツーリングが発売された。しかし同車種にはそれまで常識とされていたものがない。CD/DVDプレーヤーである。これは標準装備どころか、オプションにも含まれていない。ドライブ中にCDで好きな音楽を聴いたり、DVDで映画などを楽しむのが趣味という人も多いだろう。プレーヤーが備えられていないと知り、残念に思う人もいるかもしれない。
しかし、今回の新型カローラにCD/DVDプレーヤーが搭載されなかった理由には、音楽や映像に関する習慣の変化が考えられる。近年は若者を中心にスマートフォンやタブレットなどでメディアを楽しむ文化が常識となっている。音楽や映像はインターネット配信されたものをCDやDVDよりも手軽なコストで購入できるようになった。近年、CDやDVDの売上枚数が下がっているのも必然かもしれない。
トヨタ自動車では、新発売されたカローラシリーズだけでなく、2017年に発売されたプリウスPHVでもCD/DVDプレーヤーが搭載されていない。ほかにもホンダの「クラリティ PHEV」、三菱の「エクリプス クロス」など、最近発売されて話題になっている車には、CD/DVD非対応モデルが増えている。
プレーヤーがない分を埋める機能もメーカーや車種により異なる。たとえばトヨタのカローラシリーズはディスプレイオーディオを標準装備している。ここからスマートフォンに登録した音楽を再生でき、LINEメッセージの送受信やカーナビなどの諸機能も使える。
三菱のエクリプス クロスでも、ディスプレイオーディオにスマートフォンを連携させれば、CDやDVDなしでメディアを再生できる。AndroidスマートフォンをAndroid Auto対応のオーディオにつなげてカーナビなどの役割も与えられる。
現代ではスマートフォンのように、小さなものを多くの用途に使えることが便利の定義とされるようだ。音楽や映像を流すだけが目的になりがちなCDやDVDは、車の世界からも淘汰されていくかもしれない。そうなればCDやDVD、ひいてはカセットテープでドライブを楽しんでいた世代にはちょっと寂くなりそうだ。