ボッテガ・ヴェネタ、2020年春ウィメンズコレクション発表

2019年9月24日 09:19

 ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)の2020年春ウィメンズコレクションがイタリア・ミラノで2019年9月19日(金)に発表された。

■キーワードから見る“洗練の境地”

 ミニマリズムを推奨するクリエイティブ・ディレクターのダニエル・リーは、今季、その中でいくつかのキーワードを掲げている。自らの初シーズンでも重要視したセンシュアリティ、ソフトネス、ジェンダーレス、そしてエフォートレスなど。そぎ落とすこと、そしていくつかのキーワードで見えたのは“洗練の境地”だ。

 ファーストシーズンを進化させたのが、今回のコレクションのため、前回同様のデザインも多々登場している。打って変わって新しい試みは、“自然”へのリスペクトを表現したこと。分かりやすい例で言えば、スカーフをぐるりと巻き付けるホルターネックトップに描いた猿やパイナップルのモチーフだ。

 また、カラーパレットにはネイビーやブラックのスタンダードカラーとオレンジやアイスブルーのアクセント、そして“タピオカカラー”を採用。ベージュよりもほんの少し白に近い、愛らしい名前のこの色は、私たちがよく知る黒いタピオカの原料の色。つまり自然の色だ。ワードローブや「アルコ」バッグだけでなく、会場床に配されたブランドのアイコニックな編み込み「イントレチャート」にも採用されている。

 ダニエルがこだわるレイヤリングの手法は、きっと「イントレチャート」をアイコンとしてきたボッテガ・ヴェネタの伝統とも相性がいい。複雑なリブニットはイントレチャートのような編み込みのディテールとレイヤリングを同時に表現している。

メッシュニットにビーズを編み込んだタンクトップは、袖と身頃が分解されていて、パーツを組み立てることで1枚のロングスリーブトップスが完成する仕組み。クラフツ感を肌で感じられる1着だ。

 真骨頂であるレザーは上質で柔らかく、ソフトネスという言葉がぴったりと当てはまる。エポレット付きのマニッシュなレザーコートは、シワ加工によって柔らかさを増し、程よいユーズド感を醸してデイリーユースへの適応性を発揮する。

 そして最後に「イントレチャート」のデザインの可能性の模索に目を向けたい。今回は進化版として、斜めに編み込む技術が採用されている。

模索においては小物の存在も重要で、サンダルは、編み込みによる上質なレザーの程よいボリュームで優しい足当たりを実現し、クッションソールを採用してエレガントさと快適な履き心地を追求。バチカウッドとゴールド、シルバーを太目の「イントレチャート」と組み合わせた新たなクラッチバッグや、より柔らかなレザーを用いた巨大サイズの「アルコ」バッグなども登場する。

関連記事

最新記事