映画『真実』是枝裕和×カトリーヌ・ドヌーヴ、自伝本が暴く“母と娘”の秘密

2019年9月22日 21:30

 是枝裕和の最新作、映画『真実』が、2019年10月11日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開される。

■是枝裕和、待望の最新作

 映画『真実』は、『万引き家族』で第71回カンヌ国際映画祭にて最高賞にあたるパルムドールを受賞した是枝裕和の最新作。構想に8年をかけた本作は、全編フランスにて撮影された自身初の国際共同製作映画だ。

物語は、国民的大女優ファビエンヌが出した『真実』という名の自伝本をきっかけに、彼女と娘リュミエールの間に隠された、ある“真実”を巡って展開される。

 是枝は、映画制作のきっかけについて以下のように述べている。

「元々は、楽屋のシーンだけで出来上がる舞台を考えていました。しかし、実際に映画が動き出したのは、ジュリエット・ビノシュさんから一緒に映画を作る冒険をしないかと、2011年に提案をいただいたことがきっかけです。その時点では、日本で撮るのか、フランスで撮るのかといった確たる目標があったわけではないのですが、ふと、あの話をフランスで撮ってみようかと思いつきました。戯曲の主人公は、その国の映画史を代表する女優だったので、もしかすると、そのような女優さんを撮るチャンスが生まれるのではと思ったんです。

そこで、大幅に戯曲を書き直して、母と娘の話に仕上げました。脚本が完全に固まる前の段階で、何度もお二人にお会いして、インタビューをさせていただき、女優という人生を送られている方の生の言葉を、どのように脚本に落としていくかという作業を、継続的な信頼関係のなかで、数年に渡って行っていきました。その結実したものがこの『真実』です。」

■主演にカトリーヌ・ドヌーヴ

 主人公・ファビエンヌには、『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』などで主演を務め、映画界の至宝ともいわれるカトリーヌ・ドヌーヴ。自身のイメージとも重なるような「国民的大女優」役を演じる。

 また、彼女の娘・リュミエール役に『ポンヌフの恋人』や、アカデミー助演女優賞を受賞した『イングリッシュ・ペイシェント』のジュリエット・ビノシュ、娘婿・ハンク役は、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホークが務める。

■日本語版キャスト

 日本語版吹替えには、国民的大女優ファビエンヌ役に宮本信子、その娘で脚本家のリュミ ール役に宮﨑あおいが抜擢。また、リュミールの娘シャルロット役は、『万引き家族』で注目を浴びた子役・佐々木みゆが担当する。

■ヴェネチア国際映画祭オープニング作品に選出

 2019年8月28日(水)、第76回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門 オープニング作品として公開された。“世界三大映画祭”と呼ばれる歴史深い本映画祭の中で、日本人監督作品がコンペティション部門のオープニング作品に選ばれるのは、史上初の快挙となる。

 是枝は、「大変光栄です。映画祭関係者の皆さんにまず感謝致します。撮影は昨年の秋に10週間パリで行いました。発表された通り、キャストは本当に華やかなのですが、物語の七割は家の中で展開していく、小さな小さな家族のお話です。その小さな宇宙の中に出来る限りの後悔や嘘や見栄や寂しさや、和解や喜びを詰め込んでみました。どうぞ、お楽しみください。」と、本作の見どころと共に、喜びの声を寄せた。

 映画祭当日、是枝は、ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)のオーダーメイドのタキシードを着用。また、ともに登場したジュリエット・ビノシュもジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVÉ)のドレスを身にまとった。

■ストーリー

 全ての始まりは、国民的大女優が出した【真実】という名の自伝本。
出版祝いに集まった家族たちは、綴られなかった母と娘の<真実>をやがて知ることになる――。

国民的大女優ファビエンヌが自伝本【真実】を出版。アメリカで脚本家として活躍する娘のリュミール、テレビ俳優の娘婿ハンク、ふたりの娘のシャルロット、ファビエンヌの現在のパートナーと元夫、そして長年の秘書……お祝いと称して、集まった家族の気がかりはただ1つ。「一体彼女はなにを綴ったのか?」
そしてこの自伝は、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く「真実」をも露わにしていき――。

■作品詳細

 映画『真実』
公開日:2019年10月11日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホーク、リュディヴィーヌ・サニエ
撮影:エリック・ゴーティエ
配給:ギャガ
原題:La Vérité

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