オープンソースソフトウェアへの無償サポート求める企業に開発者が不快感

2019年9月21日 13:02

 Anonymous Coward曰く、

 あなたがフィリップスのスマートライトやiPhoneを購入した場合、その製品に必要なコードを書いた人には適切な賃金が支払われていると考えるのが自然だろう。実際、製品のソフトウェアを直接の作成者には賃金が支払われているが、そこで使われているコードの大半は、「オープンソース」プロジェクトで提供されるコードに依存している。

 しかし、何百万人もの人々が使用するオープンソースソフトウェアが、ボランティアや特定の人物にによって維持されていることもある。このことは、時に大きなトラブルを生む可能性がある。その例の一つが、2014年に数百万人が利用しているOpenSSLで発生したHeartbleedバグだ。OpenSSLのライブラリは単一のフルタイムで働く開発者によって支えられてきた。

 ほかにも開発者がプロジェクトに飽きて開発を放棄することもある。無償で働くプログラマーにトラブルシューティングを求めたり、興味を失ったソフトウェアの維持を求めるのは困難だ。しかし、こうしたプロジェクトを維持していく努力をしない限り、テクノロジーエコシステム全体が脆弱になっていく。そのため、一部のオープンソースプログラマーは、サポートサービスに対して支払いを求めている。人気の高いオープンソースプロジェクトの一つであるcURLを作成したDaniel Stenberg氏もその一人だ(MEDIUMSlashdot)。

 Stenberg氏は20年以上に渡って、別の仕事で稼ぎながらcURLの開発を続けていた。cURLのGitリポジトリでは、24755件のコミットのうち、氏によるものが1万4125件と大半を占めている。そして、プロジェクトのホスティングなどの支援はあるが、Stenberg氏は無料でcURLへのコミットを行なっていたという。

 氏はcURLをオープンソースにしたことを後悔はしていないというが、時たま企業が無料でトラブル解決のサポートを求めることがあり、それに対して氏は不快に思っているという。また、有償でのサポート契約を提示するとそれを拒否する企業も少なくないようだ。

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