大人女性の半数以上が抱える更年期症状の悩み 季節の変わり目には特に注意
2019年9月15日 20:03
9月になっても残暑というには暑すぎる日が続いている。気象庁によると、9月上旬の東京の平均気温は平年より1℃くらい高く、10月に入ってからも全国的に気温が高い日が続く見通しだという。
ただでさえ体調を崩しやすいところに加え、季節の変わり目は大人の女性たちにとっては少し憂鬱な時期だ。
株式会社日本ヘルスケアアドバイザーズが30代後半から50代前半の女性400名を対象に行った調査によると、回答者の半数以上が「汗をかきやすい」「顔がほてる」「疲れやすい」「肩こり、腰痛、手足の痛みがある」「寝つきが悪い、眠りが浅い」など、更年期障害のような症状を自覚していることが分かった。ところが、そのうちの半数が更年期障害の悩みに対して、誰にも相談せず、
対処法も何もしていないという。そして、症状に悩んでいる人の34.5%が、季節の変わり目に症状が「ひどくなる」と答えているのだ。
更年期障害の諸症状は、年齢を重ねることで女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することが主な原因といわれている。女性ホルモンは、自律神経を司る脳の視床下部からの指令を受けて卵巣で分泌される。ところが、加齢とともに卵巣の機能が衰えてしまうと、脳が指令を出してもホルモンの分泌が上手く行われなくなってしまうのだ。すると、脳が混乱して過剰に指令を出してしまうため、自律神経にも支障をきたし、体温調節や呼吸、消化機能の調節、異常な発汗やイライラなどの症状が現れてしまうのだ。
残念ながら、女性ホルモンの分泌自体を改善することはできない。しかし、女性ホルモンに似た働きをする成分を取り入れることで、症状を和らげることは可能だ。
その成分としてよく知られているのが、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインの代謝物である「エクオール」だ。栄養補助食品などで1日10㎎のエクオールを摂取することで、更年期症状の改善、骨粗しょう症の予防などに効果があることが報告されている。
そしてもう一つ、最近、美容や健康に関心が高い人たちの間で注目されているのが、ミツバチ由来のローヤルゼリーだ。ローヤルゼリーは女王蜂や、女王蜂になる幼虫だけに食べることが許されたミツバチの特別食。 以前から、ローヤルゼリーにはエストロゲン様作用があると言われ、更年期症状への代替療法として広く活用されている。
山田養蜂場などが行っている最近の研究では、ローヤルゼリーを4週間飲用することで、肩こりや首筋のはりの自覚症状が減少したことや、2週間の摂取で、冷たい水にさらした後の手の皮ふの表面温度の回復が早くなったという研究結果や、更年期に見られやすい不安感やうつ症状などの改善効果も報告されるなど、ローヤルゼリーがさまざまな更年期症状を改善に導くことが明らかになっている。また、更年期症状の治療に関しては副作用を心配する声も多いが、ローヤルゼリーは副作用が懸念されるエストロゲン受容体のα-受容体ではなく、副作用の心配がないβ-受容体に選択的に働きかけることも分かっている。この副作用の心配がないということも、ローヤルゼリーが注目されている大きな理由だろう。
更年期障害は、身体や精神の不調だけでなく、仕事や家族、夫婦の関係にも支障をきたすことが多い。前述の日本ヘルスケアアドバイザーズの調査でも、回答者の3人に1人が「夫婦喧嘩が増えた」と回答している。男性にも更年期はあるものの、やはり圧倒的に女性に多い症状なので、男性から理解を得ることはなかなか難しいだろう。いつまでも夫婦円満でいるためにも、ローヤルゼリーの摂取など、更年期周辺世代の人にはとくに予防と改善に心がけて欲しいものだ。(編集担当:藤原伊織)