積水ハウス、19年2~7月期は純利益33.9%増 戸建住宅と海外事業が好調
2019年9月6日 08:54
■売上高は20.5%増、営業利益は43.7%増
積水ハウス(1928)は5日、20年1月期第2四半期累計(19年2月~7月)の連結決算を発表。売上高は前年同期比20.5%増の1兆2,078億3,500万円、営業利益は同43.7%増の1,130億4,100万円、経常利益は同41.1%増の1,165億5,400万円、純利益は同33.9%増の774億4,400万円だった。
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売上高営業利益率は前年同期の7.8%から1.6ポイント増の9.4%と改善した。なお通期予想は従来予想を据え置いた。
■戸建住宅事業と国際事業が好調
同業の大和ハウス工業に次ぐ、住宅メーカー業界2位の積水ハウス。戸建て住宅を中心に高い市場シェアを獲得するほか、賃貸住宅やマンション、都市開発等不動産開発を積極的に行っている。子会社に賃貸管理を行う積和不動産やリフォームを手掛ける積水ハウスリフォームを有する。
今期2Q決算は、賃貸住宅事業やマンション開発などは前年を下回ったものの、戸建住宅事業や国際事業を始めとする他事業が好調で、増収増益となった。19年10月より消費税増税を踏まえた駆け込み需要も一部あり、戸建住宅事業の売上は前年同期比19.8%増、営業利益は同32.3%増だった。
■“住”関連ビジネスの基盤づくり 第4次中期経営計画達成に向けて
5日に公表した決算説明会資料によると、2020年までの第4次中期経営計画「BEYOND2020」に向け、今期は過去最高益を目指す方針だ。18年8月以降、戸建住宅の受注が回復基調にあり、受注残高も着実に伸ばしている。退職給付債務の割引率の影響を除くと、売上総利益率も一番高かった直近16年度、17年度に匹敵する利益率だ。
その他賃貸住宅事業やリフォーム事業の進捗も安定して成長している。開発型事業では、都市部に集中したエリアマーケティングで「グランドメゾン」ブランドの契約率が好調な他、国際事業ではオーストラリアやアメリカ、中国での物件売却が順調に進んでいるなど、計画達成も視野に入っている。
■人事制度変更で内部立て直しを図ろうとするものの
5日の決算発表と同時に、2020年4月開催予定の定時株主総会で定款変更を付議する方針を発表している。具体的には「取締役の任期を2年から1年に短縮」、「相談役制度の廃止」といったコーポレートガバナンスの強化に向けた対応策を打ち出している。
18年には東京都品川区の土地取得において、詐欺被害を受けた積水ハウス。その際に露呈した役員間でのお家騒動が世間を騒がせてしまった。今回の動きは投資家を意識した経営体制の抜本的な見直しを図ろうとするものであろう。今後更なる信頼失墜を起こさないための対応だろうが、どれほど効果があるのかは現在のところ不明瞭だ。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)