同性愛という性的嗜好を決定付ける単独の遺伝子は存在しない
2019年9月4日 15:04
「人の性的指向に強く関わる特定の遺伝子は存在しない」という研究結果が発表された(Science誌掲載論文、Science誌の解説記事、NHK)。
この論文は同性愛の性的指向を持つ人約50万人分の遺伝子データを対象にした大規模な分析を元にしたもの。同じ研究グループの過去の研究ではDNAが同性愛の性的嗜好に関わっている可能性があるとされていたが、今回の研究では同性愛者はDNA内で特定の1つ以上の「マーカー」を持つ可能性が高いものの、この遺伝子マーカーの影響は1%以下と小さく、こういった遺伝子単独の存在だけではその人が同性愛者かどうかを判別することはできないということが分かったという。
結論としては、人間の性的指向は遺伝的影響もあるものの、それには数百から数千もの遺伝子が複雑に関わっており、また環境的な要因なども大きいため、遺伝子で人の性的指向を分析することは難しいという。