欧州での麻疹排除が後退、英国など4カ国が麻疹排除地域の認定失う

2019年8月31日 23:29

 世界保健機関(WHO)は8月29日、アルバニア・チェコ・ギリシャ・英国の4か国が麻疹排除地域の認定を失ったと発表した(プレスリリース)。

欧州では何年にもわたる麻疹排除の取り組みが成功し、多くの国で麻疹は減少していた。しかし、欧州のWHO加盟53か国が提出した2018年の情勢評価により、欧州地域麻疹風疹排除認定委員会(RVC)は4か国が麻疹排除地域として認定できない状態になったと判断した。欧州でいったん麻疹排除地域として認定された国が認定を失うのはRVCが認定を開始した2012年以来初めて。欧州地域で麻疹排除を達成または維持した国は2018年末時点で35か国だが、2018年から麻疹の症例報告が急増している。2019年上半期には麻疹の症例がおよそ9万件報告されており、2018年の年間報告件数(84,462件)を上回っているとのこと。麻疹排除地域に認定されても域外からの感染者が流入するため麻疹が根絶されたわけではないが、認定を維持するには域内で同一遺伝子型の麻疹ウイルス感染を12か月以内に止める必要がある(PDF)。

一方、2016年に世界で初めて全域が麻疹排除地域に認定された米州では、ベネズエラが昨年7月、ブラジルが今年2月に麻疹排除地域の認定を失っている(PDF)。また、最近の症例増加を受け、米国も麻疹排除地域の認定を失う可能性が指摘されている。

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