JAL、「電子フライトログ」の運用開始 日本初 エアバスA350から
2019年8月31日 17:39
JAL(日本航空)は29日、日本で初めて「電子フライトログ」の運用を開始したと発表した。
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フライトログとは「搭載用航空日誌」のことで、運航乗務員、客室乗務員、整備士などが航空機の情報や不具合状況などを記載する日誌のことである。従来のフライトログは手書きのデータを手入力していたものを、電子的に記録・保管しようとするものである。
日本では初めての試みであり、国土交通省の許可を受けて8月10日よりエアバスA350型機において運用を開始したという。
日本の航空法第58条及び第59条には航空の安全のために航空機内に必ず備えておかなければならない書類について規定している。航空機登録証明書、耐空証明書などの必要書類とともにこの航空日誌もそのひとつである。
航空法施行規則第142条は「航空日誌」に関する規定であるが、「搭載用航空日誌」、「備え付け用発動機航空日誌」、「地上備え付け用プロペラ航空日誌」そして「滑空機用航空日誌」の4種類について定めている。
今回導入されたシステムでは、航空機に搭載されているiPadやiPhoneのアプリをタッチ操作することで簡単に入力でき、誰が操作しても間違いなく記録され、関係者全員がタイムリーにデータを共有できるのが最大の特徴である。
これまでは、航空機の不具合情報などは航空機が到着後でなければ確認することはできなかった。電子フライトログでは、記載された情報により、不具合等に対して事前に準備することができるようになり、定時の発着率向上に貢献することは間違いない。
システムは、米ニューメキシコ州アルバカーキに本社を置くUltramain Systems社のシステムをベースにし、日本アイ・ビー・エム、JALインフォテックそしてJALエンジニアリングが共同で開発したものである。
JALは新システムの活用により、「運航乗務員、客室乗務員、整備士の働き方を変革し、航空機の安全と品質さらに高めたい」としている。(記事:kan1713・記事一覧を見る)