「5G導入でムクドリが大量死」というフェイクニュース、メディアが報じて拡散

2019年8月29日 23:02

 2018年にオランダ・ハーグで行われた次世代携帯電話規格(5G)の実験でムクドリが大量死した、という偽ニュースが話題になっている。雑誌「女性自身」のWeb版がこれを報じ、この記事がYahoo!ニュースにも掲載されたことからこれを信じてしまった人も多い一方、記事内で「5Gは危険」と主張していた人物が過去にセンセーショナルなタイトルの健康系書籍を多数執筆していることもあり、内容を疑う声も多かった(Togetterまとめ)。

 この偽ニュースの出元は5Gに反対する海外の「陰謀系サイト」で、2018年10~11月にムクドリの大量死が発生していたのは事実だが、その付近で5Gの実験は行われておらず、またその近くで6月に行われた5Gの実験の際には鳥の大量死は報告されていないという。

 なお、問題の記事では「ベルギーでは5Gの導入が中止」という話も書かれているが、The Brussels Timesによると、ベルギー・ブリュッセル地域では電磁波の放射レベルに対し厳しい基準があるそうだ。これが5Gサービスの展開の障害となっていることから、昨年7月に事業者らと政府の間で基準を緩和するという合意が出ていたが、これに対し市民から反対の声があったことから、同地域内での5Gサービスの展開が一時停止される事態になったという。

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