6年ぶり制服更新に込めた日本マクドナルドの決意

2019年8月29日 17:17

 日本マクドナルドは10月から「マクドナルド」の制服を6年ぶりに一新する。10代目の制服で、性別、年齢、国籍に幅広く対応するデザインと高い機能性を取り入れた。44店舗で8月26日に先行導入、10月から全国で順次、切り替えていく。

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 新制服はクルー(アルバイトスタッフ)とマネージャーなど全5業種。新サービス「未来型店舗体験」のスタッフ「おもてなしリーダー」、宅配サービス「マックデリバリーサービス」「マックカフェバリスタ」の3業種が加わった。

 赤と黄色のマクドナルドのロゴカラーをアクセントに、信頼性や洗練感落ち着いた雰囲気を演出する。通気性や動きやすさも向上させたほか、かがむ動作が多いおもてなしリーダーのボトムスはキュロットに、シャツはお辞儀をしてもずれないよう大きめのタックを採用するなど配慮した。スタッフ間の一体感の強化、店舗のイメージアップといった効果も期待される。

 前回の制服リニューアルは2013年6月。このときは日本独自のデザインから、APMEA(マクドナルド・アジア・パシフィック・ミドルイースト・アンド・アフリカ)の共通デザインを採用した。デザインはシンプル、機能的だったが、一方で、画一的でマクドナルドらしさが無くなったという声もあった。

 この間、同社は逆風も経験した。プライベートブランド食品を強化するコンビニが競合として台頭、14年には消費期限切れの肉が混入した疑いがあるとして「チキンマックナゲット」の販売を中止。相次ぐ不祥事が客離れを招き、業績不振に陥った。

 しかし、その後もメニューの拡充やサービスの充実を続け、V字回復を遂げた。19年第2四半期の既存店売上高は対前年比4.2%増、15四半期連続増収となっている。18年度~20年度の中期経営計画では、注力施策のひとつに「ピープル」を盛り込む。顧客満足度を高めるため優秀な人材の確保と育成を継続的に行うもので、計画2年目でタブレット端末によるトレーニングなどの施策が進捗しているという。

 雇用では、学生や主婦のほか、シニアや外国人の採用も増えている。飲食・サービス業でも人手不足が指摘される中、働きやすい環境を整えることは急務だ。復活した日本企画のユニフォームに、同社の決意がうかがえる。

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