副業で起業 飲食店経営の始め方と難しさ
2019年8月25日 15:01
芸能人の代表的な副業には、飲食店経営・プロデュースがある。例えば、タレントのタモリはうどん屋を経営している。先日、吉本の闇営業問題で話題となった、加藤浩次が経営しているのはジンギスカン屋だ。
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挙げると膨大な数になるほど、飲食店経営を副業にしている芸能人・著名人は多い。一般人でも、副業で飲食店経営を行うことは可能なのだろうか。始め方から、その難しさまで紹介したい。
■飲食店経営は参入障壁が低い
本業で成功している芸能人から、そうは思えない人までが飲食店経営を副業にしている。さらに、元スポーツ選手といった著名人に至るまで、挙げればその数は膨大だ。
なぜこれだけ多いのか。それは、飲食店経営は参入障壁が低いからだ。学歴や経験に縛られず、アイデアさえあれば誰でも挑戦できる。ある意味ではフェアな競争かもしれない。
起業に必要な免許には、食品衛生責任者、防火管理者、調理師免許がある。加えて、保健所、消防署、警察署、従業員を雇う場合は労働基準監督署など、各届け出先からの許可が必要だ。
だが、調理師免許については調理師を雇えばよく、食品衛生責任者の資格取得も比較的難しくはない。飲食についての関心やアイデア、そして何よりも資金さえあれば誰にでもできるのが、飲食店経営の特徴だ。経営の範囲によっては、副業で行うのも難しくはないだろう。
■芸能人の強みは”知名度”という宣伝効果
では、実際に飲食店を経営する場合、どのような難しさがあるか。まずは、店の立地だ。飲食店経営において、店の立地は成功を左右する大きな要因になる。とりわけ駅から近い場所、さらに導線で人が多く通る場所ならなおさら有利だ。
しかし、駅の近くはテナント料が高い。資金力に自信がなければ手が出ないだろう。そして、集客の問題がある。近年では、SNSを活用するのは前提になってきているが、必ずしも期待通りの効果が得られるわけではない。芸能人や元スポーツ選手が副業で飲食店経営を行うのは、この集客において”知名度”という強みがあるからだ。
“知名度”のある芸能人や著名人は存在自体が広告塔のため、集客だけでなく集金力もある。だから、自ずと資金力にも余裕があるのだ。また彼らの中には、自ら細部の経営には関わらず、”プロデュース”という形で参加している場合もある。トラブルが起きる場合、経営を丸投げしていたのが原因という例が少なくない。
副業で飲食店経営を行うのは、”稼ぐ”よりも”楽しむ”ことを優先させる方が賢明だろう。飲食についてのアイデアを形にすることは、一般人でも可能だ。しかし、大きな収入を得るのは簡単ではないと考えた方がいいだろう。(記事:西島武・記事一覧を見る)