消費増税とポイント還元制度の実施が迫る! (3-1) 最大5%還元

2019年8月24日 09:45

 “リーマンショック級の重大事”が起こらない限り実施すると言われてきた消費税10%への増税が、10月1日にいよいよ実施される。米国と中国の貿易戦争とも呼ばれる関税の応酬や、日本と韓国の輸出手続きの厳格化を端緒にした関係悪化などの事態が、どんな方向に向かって行くのかという不安要素はあるが、増税実施を織り込んだ生活の見直しが必要な時期になって来た。

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 今回の消費増税では、2%の増税が実施される物品やサービスと「軽減税率」が適用されて税率が据え置きとなるケースが混在する。10月1日以降も、飲食料品(酒類を除く)と新聞の定期購読料の場合には「軽減税率」が適用され、消費税は8%のまま継続される。

 このため、外食やコンビニ等でのイートインに対しては10%の税率が適用され、テイクアウト商品に対しては8%の税率が適用されることになった。基本的には「購入時の意思表示」によって税率が決定されるが、購入後に気が変わったり、意識的な脱法行為にどう対応するのかということに対しては曖昧なままで、歯切れの悪さは否めない。

 消費増税と同時に実施されるのが「負担緩和措置」で、負担増加を軽減するために10月から20年6月までの9カ月間の期間限定で行われる。

 中小の小売店・飲食店・宿泊施設などで商品やサービスの支払いに、クレジットカード、電子マネー、スマホ決済等によるキャッシュレス決済を利用すると、5%のポイント還元が受けられる。

 仮に、当該施設で税別1万円の商品を購入した場合、増税後は税込みで最大1万1000円の支払いが必要となるが、キャッシュレスで支払った場合には事後に500ポイントの還元があるため、実質1万500円の支払いで済むことになる。現状の消費税では1万800円の支払いとなるので、差し引き300円得になる計算だ。

 電子商取引の巨人であるアマゾンや楽天のサイトに出品する中小企業の商品であれば、5%がポイント還元される。全国で211社が加盟し、約4000店の店舗網を持つシージシージャパン(CGC)では、自社の電子マネーの導入を予定している約90社の店舗で、商品購入の際にその場で5%分の自社電子マネーが還元される。

 これに対して、コンビニ、外食、ガソリンスタンドなどの大手系列のフランチャイズチェーン店では、還元されるのは2%のため実質負担額は増税前と変わらない。20日に報道されたところによると、セブン―イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ大手3社は、消費者がキャッシュレス決済を利用した場合、2%の還元対象分を支払時に差し引く方針を固めたようだ。

 他にも同様に実質値引きのような取り扱いをする事業者が見込まれている。政府は値引きと勘違いされそうな即時還元の扱いを「例外」として認める方針だったが、社会に根付いたコンビニで実施されるとなれば、例外とは随分ニュアンスが変わってくる。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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