スタートアップ企業の副業人材活用法
2019年8月17日 11:41
近年では、スタートアップ企業や中小企業と副業者を繋げるマッチングサービスが増えてきている。
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このマッチングサービスは、スタートアップ企業のような中小規模の会社にとって、大きな問題を解決する手立てになっている。スタートアップ企業による、副業人材の活用法について紹介したい。
■スタートアップ企業の大きな悩みは人手不足
スタートアップを起業して、早い段階で直面する課題は人手不足である。人員の少なさは、企業が成長するつれてより大きな問題になっていく。
スタートアップ企業といっても、人員が50人いる場合もあれば、数名と片手で収まる場合もある。例えば、少人数でECサイト(ネット通販サイト)を運営する場合などには、カスタマーサポート業務に人手を割けなくなることが頻発する。
人手不足は、ただ個々の人員の負担が増えるだけではない。煩雑な業務にエネルギーが費やされることにより、コア業務に充てるエネルギーも時間も不足してしまうのである。コア業務が疎かになることは、すなわち成長の阻害を意味する。
人員の限られる企業にとって、人手不足は想像以上に事業全体に悪影響を及ぼす大きな問題だ。
■副業人材の活用で業務効率化を図る
副業をしようとしている人がまず考える場合に多いのが、クラウドソーシングサイトだが、このようなサービスを運営している企業の中には、マッチングサービスを運営する企業も珍しくない。
このマッチングサービスの内容は、スタートアップ企業など人員の限られる企業のアウトソーシングを請け負うというものだ。マッチングサービス側は、クラウドソーシングサイトを利用する副業者などを顧客に紹介する。
顧客であるスタートアップ企業が依頼できる業務は、多岐に渡る。事務全般から、秘書業務、語学能力が必要な翻訳業務など、考えられるバックオフィス業務のほとんどが含まれる。
マッチングサービス側は、サイトに登録している専門的な能力を持つ副業者でこの求めに対応する。副業者にとっては、仕事を探す手間が省け、専門的な能力を発揮する場が得られるメリットもある。
スタートアップ企業にとっては、副業者にアウトソーシングすることにより、煩雑は業務から解放される。生まれたエネルギーと時間は、コア業務に集中させることができ、会社の成長に繋がる”本来の仕事”ができるようになる。業務効率化を図ることは、スタートアップ企業にとって、大きな意味を持っている。
これまでは、バックオフィス業務は自社で行う企業が多かった。しかし最近では、副業者を活用した積極的なアウトソーシングを行う企業も増え、この点でも変化が起きている。(記事:西島武・記事一覧を見る)