アニメ制作会社カラー、Blenderへの移行を推進 コスト的な問題

2019年8月16日 08:52

 先日、「エヴァンゲリオン」シリーズなどで知られるアニメ制作会社のカラーがオープンソースで開発されている3DCGソフトウェア「Blender」に資金提供をすることが明かされたが(過去記事)、同スタジオはメインの3DCGソフトウェアを商用ソフトウェアである「3ds MAX」からBlenderへと移行させようとしているという(Engadget日本版)。背景にはコストの問題があるそうだ。

 3ds MAXはいわゆるサブスクリプション形式で提供されており、その費用は1ライセンス当たり年間で25万円ほどと比較的高価だという。カラーは外部のスタジオと協力して制作作業を進めているが、コスト面の問題から十分な数の3ds MAXのライセンスを導入できる会社は限られており、そのため必要な人数を確保しようとすると複数の会社に依頼せざるを得ず、管理コストが高くなってしまうという。

 カラーによると、Blenderはほかのソフトウェアと比べて「引けを取らない機能を実装している」といい、さらに無料で提供されているためコスト面で導入のハードルが低いという。そのため、同社や協力スタジオでの導入を推進しているそうだ。

 また、カラーやその子会社であるスタジオQ内には元々Blenderに詳しい人材がいたことも導入を後押ししたという。そのほか、Blenderはオープンソースで開発されているため、機能改善などの要望に対し迅速に対応できるのではないか、との期待もあるそうだ。

 なお、現在同社が制作している「シン・エヴァンゲリオン劇場版」ではまだほかのソフトウェアがメインだが、一部で「実地検証」としてBlenderでの制作を行おうとしているという。

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